昨年12月12日の封切から約3週間経った新年最初の水曜日の午後10時丁度の回を新宿バルト9で最近親しくしている人と観てきました。
1日1回の上映で新宿では現状3館で上映されていますがどこも1日1回になり、かなり「風前の灯」感が漂ってきています。現状上映館は全国で見ても非常に多く330館にも上り都内でも31館で上映されています。
シアターに入ると、私達2人以外に、最初は4人の観客がいました。40代ぐらいの男性単独客が2人、20代から30代の女性単独客が2人です。その後暗くなってから30代前半ぐらいに見える女性3人連れが加わり、さらに本編が始まって10分程度経った頃だったかと思いますが、30代ぐらいと推測される女性単独客1人が加わりました。私たち2人も入れて総勢10名です。上映館数の多さに比べて1日の上映回数は少なく、終電ギリギリ前の時間の終わりとは言え、この動員状態ですので、終わりが見えていると見て差し支えないでしょう。
ここ最近、新年最初の鑑賞作品はコメディ系の映画という風な習慣が少々固まってきたので、今年も何かコメディを考えてみて、鑑賞候補作品リストを眺めたらこの作品が見つかりました。ちなみに過去二年は 2025年が『聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団』で、前年の2024年が『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』なので、ちょっとスケールが今年は小さくなった感じがします。
この作品を私は以前からチラシで知っていた程度ですが、原作はそこそこヒットしたコミックのようです。ウィキで見ると以下のように書かれています。
[以下引用↓]
2018年9月23日「LINEマンガ インディーズ」で公開され、2019年3月1日「第1回 LINEマンガ大賞」で銀賞を受賞。
その後2018年12月26日「ジャンプルーキー!」でも公開され、2019年5月24日「第2回ジャンプ縦スクロール漫画賞」で大賞を受賞。それにより2019年7月30日から『少年ジャンプ+』での連載が開始された。単行本第1巻発売後の2020年1月に打ち切りという形での連載終了が内定するが、作者が最低限描きたかった内容には決着がつく形で2020年6月2日の完結を迎え、連載終了後から間を置かずしてアニメ化が内定した。
アニメ版は2022年10月27日にNetflix独占配信のWebアニメとして、全12話が一挙配信された。
2025年6月24日に実写映画化が発表され、同年12月12日に公開された。
[以上引用↑(注釈番号割愛)]
私はこのコミックの存在を全く知りませんでした。私がチラシを見てこの作品を鑑賞しようかと鑑賞候補作品リストに突っ込んだ理由は偏に主演が上白石萌歌であることです。脇役陣には「今を時めく」らしい男性アイドルグループ3組から各々1人が選ばれ、合計3人が存在感を競い合っていますが、勿論、私は全く知りません。そのような情報満載で、映画.comの説明は以下のように構成されています。
[以下引用↓]
上白石萌歌、高橋恭平(なにわ男子)、木村柾哉(INI)、中島颯太(FANTASTICS)の共演で、2022年にアニメ化もされた百世渡原作の同名漫画を実写映画化したコメディ。
恋愛にまったく興味のない女子高生・星野杏子の前に、魔法使いのリリが現れる。リリの住む魔法界は人間が恋をした時に生まれる「恋愛エネルギー」を糧としているが、杏子が恋をしないため魔法界は大変なことになっているという。リリは杏子に1カ月以内に恋をしてもらうと宣言し、杏子の大好きなゲーム・チョコ・猫を魔法で取り上げてしまう。その日からリリの魔法により、かっこいい男子たちが次元を超えて杏子の周囲に押し寄せるようになる。やがて杏子は、クールな転校生・香月司、野球部エースの幼なじみ・速水純太、某国の御曹司・小金井聖という3人の同級生と距離を縮めていく。次々と襲いかかってくる恋愛トラップを回避して、平穏な生活を取り戻すべく奮闘する杏子だったが……。
上白石萌歌が星野杏子、高橋恭平が香月司、木村柾哉が速水純太、中島颯太が小金井聖を演じ、謎の兵士役で與那城奨(JO1)、謎のSAT役で藤原丈一郎(なにわ男子)、謎の刀剣役で佐藤大樹(EXILE、FANTASTICS)が共演。監督は「ヒロイン失格」「東京リベンジャーズ」の英勉。
2025年製作/105分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2025年12月12日
[以上引用↑]
私は特にコメディエンヌとしての上白石萌歌がまあまあ好きです。映画作品だけではありませんが、それなりに観ています。やはり一気に彼女に関心が湧いたのは、私の邦画ベスト50にも入っている『子供はわかってあげない』です。それ以降ぽつぽつと作品を観ていますが、劇場映画作品で劇場で観たのは昨年の『パリピ孔明 THE MOVIE』が最後でした。過去の彼女の登場作品などについても多々言及した長い説明が感想記事に存在します。
[☆以下長文引用↓]
パリピ孔明(2023年9月27日 – 11月29日、フジテレビ) – 月見英子 役[138][139]
上白石萌歌の方は、私がまともに彼女を認識できるようになったのが、『子供はわかってあげない』だったのですが、それが私が原作も敬愛する作品だったのに、超弩ストライクの配役で、固唾を飲んで見入るぐらいの作品でした。その後、私が劇場で観た中では『KAPPEI カッペイ』に出演していましたが、如何せん駄作の作品の中で、設定もやたらに粗雑な役回りだったので、彼女が光っていなかったと思います。『KAPPEI カッペイ』の感想記事でこう書いています。
[以下抜粋↓]
私がこの映画を観たいと思った最大要因は、『子供はわかってあげない』で最高に良かった上白石萌歌です。私は個人的に、横長丸顔、ショートカット、色黒、幼児体型が女性像の外見では好ましく感じる条件なのですが、『子供はわかってあげない』の日焼けした上白石萌歌は、まさにどストライク状態でした。しかし、今回の彼女は日焼けしていないので条件が一つ欠けてしまっています。さらに、彼女の横長丸顔が際立つのは、ニンマリ笑って頬が隆起した状態なのですが、本作でそのような笑顔は後述する状況によりかなり抑制されていて、その点でも良さが減っていました。
『子供はわかってあげない』を鑑賞した前後にテイジンのCMの歌って踊る彼女の動画を見返しては楽しんでいましたが、当然ながら本作では(歌ったり踊ったりを至近距離で鑑賞する立場にはなっていましたが、自分では)歌ったり踊ったりしません。色々な意味で、私が期待する上白石萌歌のスペックを上げる要因が見当たりませんでした。
[以上抜粋↑]
その後観た『水深ゼロメートルから』という、意識高い系JK演劇原作映画が結構残念なできでしたが、その作品で主題歌を担当しているAdieuというアーティストが上白石萌歌であることに後から気づきましたが、特にその時点で彼女の歌手としての活動そのものに特段関心もなく、寧ろ記事には以下のように書いています。
[以下抜粋↓]
しかし、それに気づいた時には既に観終ってからそれなりに時間が経っていたので、全くそれがどんな曲か分かりませんでした。『子供はわかってあげない』というアオハル系映画の金字塔の主演を務めた彼女からみたら、この妄想的JK物語はどのように認識されたのか気になる所ではあります。
[以上抜粋↑]
それぐらい残念な作品でした。実は私は『子供はわかってあげない』以前に、上白石萌歌と知らずに、彼女に注目していた作品を劇場鑑賞しています。それは『3D彼女 リアルガール』です。『子供はわかってあげない』を鑑賞して感想記事を書く際に、その事実に気づいて愕然としました。『子供はわかってあげない』の感想にこのように書いています。
[以下抜粋↓]
さらに、観てみて良かったのは、上白石萌歌です。私は個人的に、横長丸顔、ショートカット、色黒、幼児体型が女性像の外見では好ましく感じる条件なのですが、まさにどストライク状態でした。普段はあまり横長丸顔に見えないのですが、笑ったりした際には頬が盛り上がり、完全に横長丸顔になります。後半夏の陽にやかれてガングロ状態になったところで、そのぐりぐりの瞳が創り出す表情が尚更素晴らしかったです。終盤の屋上の正座告白の名場面も、緊張すると笑い出す美波の必死の状況をとても器用に実現しています。最後の「発狂しそう」のニュアンスはどうなるのだろうとハラハラしていましたが、非常に納得のいく「発狂しそう」だったと思います。
追記:
今回の上白石萌歌を観て関心が湧いたので、以前、彼女がコミュ障のオタク少女綾戸を好演した『3D彼女 リアルガール』をDVDで見直してみようかと思い立ちました。
[以上抜粋↑]
その『3D彼女 リアルガール』を観た際の、主人公ともう一人登場するオタク少女のありようが鑑賞時の私にやたらに刺さっていることが、その感想記事から分かります。以下のように書いています。
[以下抜粋↓]
おまけにオタク特有の緊張によるぎこちなくおどおどした動作の再現にも高いレベルで成功しており、主人公を演じた役者がパンフで自分が好きな『トイ・ストーリー』のウッディの動きをまねたと語っている、教室の机の隙間を腰をひねりながら慌ててすり抜けるシーンや、もう一人登場する真性オタク女子高生綾戸の驚くごとにショックで投げ出されるように倒れるシーンなど、各種オタクモードが連発します。非常に楽しめます。
[以上抜粋↑]
この「真性オタク女子高生綾戸」が上白石萌歌だったのです。この作品をDVDで入手した際にも、物語全体を見る気は湧きませんでしたが、綾戸が目立つシーンだけ何度も繰り返し観たぐらいに最高です。『子供はわかってあげない』も『3D彼女 リアルガール』もマンガが原作ですが、ファンの間で前者の美波と後者の綾戸の実写での再現度合いは高く評価されているように私は認識しています。そして『子供はわかってあげない』を観ても(ウィキだったかパンフだったかのプロフィール欄で見るまで)全く分からないぐらいに上白石萌歌はその二つの役になり切れたということなのだと思います。
私は上の感想にも書いている通り帝人のCMの『DAKE JA NAIサンバ!』を歌い踊る彼女が結構好きで何度も見返したことがあります。その結果、私は彼女が“歌って踊れる”ことを知っていましたが、(踊るはさておき)ハロウィーンには鬼の格好をして歌い観客を煽る歌手の役を演じた、この『パリピ孔明』が結構気に入ったのでした。
また、パンフにも書かれていますが、この作品には本気にヒットチャートに上がってきても不思議ないような質の高い音楽が、劇中のアーティストの曲として惜しげもなく使われています。取り分け、劇中でも孔明が「心に響く歌で、民草の心を一つにする」と評して惚れ込む彼女の歌はどれもできがよく、テレビドラマの段階ではオリジナル曲が2編、各種のアレンジで登場します。(そして今回の映画では3曲目が登場しています。)特に作詞・作曲を幾田りらが行なった第1作の『DREAMER』は名曲だと思います。
そんなドラマの『パリピ孔明』が終了した後、早くDVDで出ないかと待っていましたが、全く実現しませんでした。「ああ、なぁんだ」と諦めていた所にいきなり映画化の報を耳にして、これは観なくてはならないと思い立ったのでした。
[☆以上長文引用↑]
結果的にドラマに比べて映画の『パリピ孔明』において上白石萌歌の存在感は薄く、人物描写もかなりピンボケ感があり、ドラマ以上にアホ丸出し感があります。ドラマでの上白石萌歌の存在感を期待していた私には(彼女以外に見所は相応にあるものの)少々残念な作品でした。
特にその後私はDVDのレンタルでドラマの『義母と娘のブルース』と『警視庁アウトサイダー』を観ていて、そのコメディエンヌぶりを堪能しているので、余計に『パリピ孔明』の劇場版の残念感が相対的に際立つように思えていました。そんな中での本作です。
観てみると、ストーリーが在ってないようなシッチャカメッチャカな展開でした。コミックでも、物語が破綻寸前だったのではないかと思えるほどで、コミックでこれが人気を博していたとしたら(と言っても、博しているようなのですが)、『ボボボーボ・ボーボボ』の7掛けぐらいのハチャメチャ感ではないかと思えます。
レビューでもこのシッチャカメッチャカ状態に圧倒された意見が多く、圧倒された上に、振り切っている様子が好感を呼んでいることが分かる、高評価ばかりでした。私も基本的にそれらの意見に同意します。多くの恋愛ドラマのオマージュというかパクリというか色々とふんだんに盛り込まれていますが、私が分かるのはほんの数個という感じでした。(パンフには監督が秘密をばらす形で数十個の元ネタが(名称は言及されないまま)示唆されています。)分かればさらに楽しめるのであろうと思われます。
さらに先述の3グループの各代表計3名以外にも、上白石萌歌演じる主人公にバンバン求愛を重ねるイケメン男子的な存在が、これまたアイドルグループ系の人々らしいのですが、束になって登場します。主要脇役3人同様、私は全く認識できない…と思っていましたが、たった一人、「おおっ、こんなところに!」と微かな驚きと共に認識できたイケメン男子が居ました。佐藤大樹とかいう名前であると今回初めて知りました。
ウィキで見ると、FANTASTICS from EXILE TRIBE というグループの一員であるらしいのですが、全く知りません。EXILEも元々「焦げ茶な人々」ぐらいの認識しかないので、そこからの派生したグループは一切分からず、さらに焦げ茶でもなくなってしまうと全く分かりません。ただ、彼は現在TVerで観ている『仮面の忍者 赤影』の主役で、まさに赤影その人です。
この赤影という作品は私が辛うじてリアルタイムでおぼろげな記憶がある程度の古いテレビ作品のリメイクで、ほんの微かな郷愁と共に観ることにしてみたドラマです。その主人公で、今回の『ロマンティック・キラー』でも「謎の刀剣」という、刀剣乱舞のまるパクリまんまの役柄で、刀を振り回す役柄という意味では赤影とイメージが共通しており、すぐに認識できました。そして、今回一つ彼に関して大きな発見がありました。
DVD化もされていませんが、私が結構前にTVerで面白く観ていた番組があります。石川瑠華も行けてない女子の役で登場する『瓜を破る~一線を越えた、その先には』です。この主人公は、私が昔、幼稚園時代の娘と『バラライカ』というPVを繰り返し観ていた久住小春なのですが、その彼女の(タイトルに従えば)「瓜を破る」信じられないぐらい言葉数が少ない、コピー機修理担当者の地味男キャラが、なんとこの赤影の男だったのです。あまりの印象の違う役柄を務める彼の発見に欣喜しました。
あとは魔法使いのリリは普段は空中に浮かぶCGキャラなのですが、時々人間体に化けています。この人間体は「伏木リリ」と名乗っており、髙橋ひかるという女優が演じています。写真写りによってはめるるに似ているような顔立ちなのですが、ウィキで見ても、DVDで観た『レッドアイズ 監視捜査班』の主要脇役の捜査官の妹で命を狙われる役柄の子が彼女だったようで、そう書かれているのを読んで、「ああ、あの子か」と分かる程度です。その他には私が観た作品に全く出ていません。
今回の彼女は主人公の上白石萌歌を翻弄し、どんどん騒ぎを拡大して行く役割なので、結構大活躍です。おまけに非人間ですから、かなりハッチャケており、見ていて結構楽しめました。しかし、次回作で彼女を観ても認識できるか否かは甚だ怪しいように感じます。(めるると間違うかもしれません。)
狙いの上白石萌歌は、アクションもドタバタも丁寧にこなし、このぶっ飛んだ物語を何とか繋いで見せてくれる好演という風に思えます。あまり見ない彼女のアクションは楽しめますし、さらにCGの特殊映像では彼女の分身というか別の世界線の彼女達が多数登場し、それらがまるで『クローズ』の不良男子群のように束を為して乱闘になるシーンまであります。パンフで本人がかなり異様に感じたようなことを語っていますが、確かに非常に珍しいシーンで、エヴァで地下の水槽からこちらを覗き込んでいる多数の裸身の綾波レイに近い不穏さを感じる変わったアクションシーンです。
あまりそうしたアクションシーンが過去にない女優の乱闘シーンという意味では、『地獄の花園』の永野芽郁の方が迫力があったように感じますが、今回は分身多数の乱闘ですから、違った見応えがあります。何やらやたらに甘いソフトクリームを食べた様な、変わった鑑賞後感が残る作品です。ハッチャケ度合い、というか、ぶっ飛び度合いで言えば、そのスピード感も相俟って、『聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団』や『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』を超える作品で、正月の新慣習の一味違う彩になったように思えます。中身はほぼゼロと言っていいような内容ですし、結局主人公は1人を選べず、全員を愛すると言い出し、それをこの作品は人間愛アガペーと祀り上げてしまって、ちょっと苦しい感じはします。しかし、楽しめるのは嘘ではなく、DVDは一応買いかと思います。