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経営コラム SOLID AS FAITH 第275号
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ご愛読ありがとうございます。第275話をお届けします。
暑い日が続く中、東電の人災結果と報じられるホット・スポットに位置する
柏市に比較的頻繁に仕事で通うことになって、がん保険加入の検討を始めまし
た。クライアントの総合保険代理店の社長の説明に聞き入って、がん治療の実
態に知らないことが多いことに気付かされています。皆様は如何お過ごしでし
ょうか。
今回の号は、有名なカッツのスキル・モデルで言うところの、テクニカル・
スキルとヒューマン・スキルと言う分類になるかと思われる、二つのスキル群
の対比をした号です。かなり極論の展開ではありますが、食っていくためのス
キルを考える時の材料は盛り込めたかと思っております。本文に対するご意
見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期
は5営業日!!
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その275:稼働スキル
「よく聞いて下さい。市川さんの主張は、値段表示をしてある床屋に座った客
がサービスを受けた後に、支払いに合意した覚えはないと立ち去ったらおかし
いと言うものですね。そして、市川さんも、メールなどで料金は本来このよう
になると提示しつつ、サービスを提供した。ここまでは確かに同じです。しか
し、市川さんは一方でもともと困窮しているのなら支払は据え置くつもりで居
たので請求する姿勢も見せなかった。おまけに合意の下に契約が成立したと言
う書面一つない。これはどう見ても、筋が悪い案件なのですよ」。
引き受けを断る若手を含む弁護士数人を経て、最後の弁護士は「こちらの主
張が100%通るとも思えませんが、どうしてもやるということでしたら、引き
受けましょう」と言い、一年近くをかけて、私の「債権」の一部回収を実現し
てくれた。その後、「どこに相談すれば良いか分からない」、「良い弁護士を
知らないか」と言う声を聞くたびに、世話になったこの「逃げない弁護士」を
紹介し続けている。
新法ができるたびに、法令関連書籍に特化した出版社の自社は、経営的に一
息つけると、飲み屋であったその会社の専務が語っていた。話は司法試験合格
後の若い弁護士の年俸の低下に及ぶ。「おおっぴらに言わない人が多いけど、
平均でも300万円を切っていると言う話だよ。大学院を出て、最も難しい試験
に受かってもこれだからね」と彼は言う。「筋が悪いとか言って、困っている
客を見捨てるようなことをしているから仕事が来なくなる結果じゃないですか
ね」と私は笑って応じた。
雑誌の『SPA!』に『バカなのに年収1000万円な人々の共通点』と言う記事
を見つけて、その面白さにクリッピングして書類棚においてある。記事に登場
する地方カラオケボックス店長33歳は年収1400万円とある。450万円以上の
月商だと、18%にも上る歩合給制度。月収が150万円にも届くことがあるとい
う。会員客の飲み物と曲の好みをメモする。会員カードを忘れてきても会員価
格にする。日頃自分が他店で不快になったことをメモして反省してみる。弱小
カラオケ店の大学中退店長の当り前過ぎる行動規範。
「どんな人材を育てるかの目標みたいなものですか。いい質問です。新卒社員
を預かる皆さんには、その新卒社員が一生喰うに困らないようなスキルを仕込
んであげて欲しいのです。当り前のような簡単なことですが、それを皆さんに
きちんと説明しておきましょう」。
新卒社員を数十人受け入れるクライアント企業の会議室。新たに現場育成管
理者に任命された若手社員十余名を前に、私は話を始め、弁護士とカラオケ店
長の対比を説明する。
息を飲み、私の話に耳を傾ける育成管理者に対して、締め括りに私は言った。
「皆さんは、この二者の違いがもう十二分に分かったことでしょう。皆さんは、
どちらが一生喰うに困らなそうだと思いますか。そして、どちらが頼れる友人
になりそうですか。迷いない答えが見つかったら、今日の話は終わりです。職
場で反芻してみて下さい」。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】
経営コラム SOLID AS FAITH 12周年記念特別号
テーマ決定!
毎年、10月末日に発行する周年記念特別号。
今回のテーマは、
『ソリアズ的人材観 ?人材リスクを最小限に抑え込む? 』(仮)です。
主に新卒社員の採用・育成の現場にフォーカスし、
中小零細企業の現場における若手人材に関する
リスク・マネジメントのあり方を考える予定です。
ご期待下さい。
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
第276話 『要否一体』 (7月25日発行)
或る研修企画の場で、組織に必要とされる人材の特徴を考えてみることにな
りました。考えあぐねた経緯を一本にまとめてみました。ご期待下さい。
(完)