273 桿体

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経営コラム SOLID AS FAITH 第273号
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ご愛読ありがとうございます。第273話をお届けします。

 東京のマンションでの高速回線として使え、且つ、外出の際には携帯ウェブ
端末としても使えると言うことに気付き、電話は今までの低廉なPHSをその
ままに、イー・モバイルのスマートフォンを購入しました。購入前に逡巡の種
だった月々5000円弱のランニングコストのモトは、地図やら何やらの活用で意
外に簡単に取れそうです。

 まだまだ全然使いこなせていませんが、フェイスブックもツイッターもやら
ず、電話としても一切使うことがなくても、様々な遣いみちが見つかるのは、
持ってみて初めて分かることと感嘆しています。
 
 ネットビジネスの成功法や個人で大金を稼ぐ方法などのセミナーが各種開か
れ、マスマーケティング的な手法を零細ビジネスに無為に適用しようとする話
を昨今耳にするようになりました。今回の号は、そのような方向性とは全く逆
の方針を弊社の個人事業主のクライアントに勧めたところ、極端なほどに収益
が向上したので、その事例についてまとめてみました。
 
 PR欄には、この路線の延長線上に位置づけられる、オーダーテイカー機能
の充実による、営業活動の改善事例を紹介しました。併せてご覧戴けましたら
幸いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感
想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その273:桿体

 また、名刺が切れた。見学者として赴いた有名コンサルタントのセミナー現
場。まさか自分にも名刺交換の場が訪れるとは思っていず、気軽に来たら、名
刺があっと言う間に切れた。目をやった先の先生は、セミナー開始前の会場で
にこやかに名刺を差し出し、所在無げに殺風景な会場の長机に向かう参加者に
挨拶をして回る。次々と名刺を繰り出して、配ったのは二十枚以上。
 
 セミナー終了後、先生の話の内容などについて、控え室で話す。先生は、ち
ょっと失礼するよと、鞄から葉書の束を取り出し、集めた名刺の宛名を達筆で
写し取っていく。サンキューレターは、すぐ出すのが基本と言って、私の話の
傍ら、葉書を書き終わらせた。見学のお礼を言って去ろうとする私に、「貰っ
た名刺、何枚かあるんだろう、市川君も。すぐに連絡した方がいいよ」とわざ
わざ呼び止めて先生は言った。
 
 私が名刺切れとメモしたものは4枚。二日後、一人一人の会社業容や会話の
内容などを思い起こしながら、A4一枚の手紙を作り、名刺と見て欲しい自分
のサイトのページのプリントアウトなどを同封する。一時間半近くかかった。
封筒に隷書を崩した「見たらすぐ分かる」と言われる癖字で丁寧に宛名を書く。
見ると新宿のマンションから徒歩圏の宛先もあるので、直接届けに行くことに
し、残りには記念切手を貼って投函する。
 
 PCを開くと、私がクライアントのインド占星術師を営む独立事業者を紹介
した、若い女性向けの携帯サイトの運営会社社長からのメールが届いている。
メーラーのウィンドウに出た冒頭だけでも面白く、スクロールして読み込むう
ちに、吹き出してしまった。紹介したインド占星術師の商売のあり方が、灰汁
が強くなく、占い結果の項目は少なく、占術に特段の目立つ要素がないなどと、
社長のサイトでは使えない理由を縷々説明している。私自身がインド占星術師
の女性から最初に売上向上の相談を受けた際に考えたことがそのまま書かれて
いた。
 
 インド占星術師の彼女からのヒアリングを重ね、典型的な相談内容と相談者
の人物像を念入りに検証してみたら、顧客満足度が十分とは言えず、一見に終
わる数多くの客の存在が浮かび上がった。需要も供給も爆発的に膨らむ市場。
敢えて目立つことはやらず、新規の顧客開拓も止めて、限られた人一人の持ち
時間と言う経営資源をロイヤルティ向上策に集中してもらうことにした。その
目覚しい結果が顕現してから、サイト運営会社社長に彼女を紹介しても、「と
ても売れている占い屋には見えない」との評価。
 
 尊敬する物流コンサルタント花房陵先生のメルマガでは2011年年初から「マ
スマーケティングは怠け者の商法でした」と書かれ、あるべき肌理細かな経営
の姿が説かれている。折角見えてない人が多いのにとは思いつつ、その分かり
易い説明文をコピーして保存した。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

何やら体感できる地方都市での市場の縮小。
その地に留まって事業の基盤を強化するのなら、
既存客・既存取引先のロイヤルティ向上が、先ずは第一手です。

無理の多い新規開拓のオーダーゲッター機能拡大は、一旦置いておき、
自社のオーダーテイカー機能強化に集中すると、
利益は意外に簡単に守れるものであったりします。

そのような案件が増えてまいりまして、
弊社サイトの営業戦略の説明のページそのままの
勉強会やプロジェクトが多くなってきました。

経営資源の乏しい中小零細企業ならではの
顧客満足重視の営業改善。是非、ご検討下さい。

弊社サイト関連ページ(合計4ページ)はこちら。
Vol.1 から順にご覧戴くと分かり易くなっています。
http://www.msi-group.org/MSI-Sales-Strategies-vol1.html
http://www.msi-group.org/MSI-Sales-Strategies-vol2.html
http://www.msi-group.org/MSI-Sales-Strategies-vol3.html
http://www.msi-group.org/MSI-Sales-Strategies-vol4.html

本件についての弊社へのお問い合わせは、
こちらのメールアドレスまで、お願いします。
 bizcom@msi-group.org
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
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次号予告:
 第274話 『パーティーの人気者』 (6月25日発行) 
 最近、時々ご相談を戴く零細企業における新卒採用。新卒労働市場の原理の
説明にいつも使っている喩えが好評の様子なので、コラムのネタにしてみまし
た。お楽しみ下さい。

(完)