005 成熟する市場

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経営コラム SOLID AS FAITH 第5号
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 第5号をお届けします。

 寒さが厳しくなってきました。病気だけは子供の頃から流行の最先端を行くことに
なっている私は、早速、体調を崩してしまいました。読者のみなさまは如何お過ごし
ですか。

 クリスマスの今日も、そして、年明けの10日も SOLID AS FAITH は休まず発行
致しますので、何かと慌しい時期とは存じますが、短い文章ですので、お仕事の合
間などにお楽しみいただければ幸いです。

 来年もよろしくお付き合いください。

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その5:成熟する市場

 市場が成熟し、物が売れなくなったと言う。「誕生日には何が欲しい」と聞かれて
も、本当に困ってしまうぐらい、欲しい物は見当たらない。

「本当にそうなんですよねえ。この業界もいつまでもつか、分かったもんじゃないで
すよね。僕も将来考えなきゃ。今んところ、売上は何とか上がってはいますけど…」
と知り合いの不動産屋の青年は言う。彼の担当する物件を1年前に買った。土地
ばかり広くて、築27年の小さな申し訳程度の平屋が立っているのを更地にすると
言う条件だ。

 知り合いの大工に見たててもらったところ、平屋のままなら十分住めると聞き、
一大リフォームと増築をして住むことにした。一生に一度の買物とはよく言ったも
ので、知らないことばかりで、入居までのほぼ二ヶ月間は「はらはらどきどき」の
連続だった。

「はらはらどきどき」のうちは良い。短気な私は、水道やガス、その他の工事に
来るいわゆる「業者」の勝手な振る舞いに本当に腹が立つことが何度もあった。
怒鳴られ、ののしられ、土下座させられた者までいる。

 市場は成熟しているか。不動産屋の青年はとてもよくしてくれた。しかし、まだ
まだ、顧客の「はらはらどきどきいらいら」を減らせる余地はある。顧客は冷酷な
ものである。不満を感じて、クレームを売手に言う者は、全体の1割いるだろうか。
売手さえ気づかぬ「満たされていない気持ち」を経済統計が計れる訳が無い。

「不動産なんて、まだまだ売れますよ。そりゃあもう、飛ぶように…」私が、そう言う
と、青年は怪訝な顔をしていた。

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発行 MSIグループ
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