259 パーチェス・レップ

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経営コラム SOLID AS FAITH 第259号
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ご愛読ありがとうございます。第259話をお届けします。

 PR欄にも再度紹介しましたが、11周年記念特別号がのとうとう発行に漕ぎ
着けました。発行日近くまで原稿作成や校正などを重ねていたため、企画の練
りが足りない感じが多少ありますが、無事発行に漕ぎ着けられて安堵しており
ます。内容中、「もしも商店経営者が浜崎あゆみの大ファンだったら」(通称
「もし浜」)と題した文章は、印象がそれなりに強かったようで、クライアン
ト関係の方々からも、感想を頂戴しました。PR欄にリンクを再掲しておりま
すので、まだお読み戴けていなければ、是非ご一読賜りたく存じます。

 足掛け12年目の第一回目の話は、「代理店」と称される業種のあり方から、
顧客とは誰であり、会社は何のためにあるのかと言うことを考えてみることと
しました。インターネットの普及の結果なのか、グローバル化と称するものの
浸透の結果なのか、企業の営業方針の矛盾や曖昧さに、顧客は敏感に反応する
ようになったと言われます。今回の号はそのような流れの一部を体感できるも
のではないかと思っております。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしてお
ります。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その259:パーチェス・レップ

 多くの人材紹介会社が淘汰されたと言う昨今でも、人材紹介を核とする人材
ビジネスで起業しようと言う人々に時々遭遇する。淘汰が行く所まで行った後
の起業であるなら、どれほど斬新なビジネス・モデルであろうかと期待してお
話を伺うと、多くのケースでカウンセリングの技術の充実などを掲げて、求職
者の利便を図る計画が延々と語られる。
 
「なるほど。それだけ求職者向けのサービスを充実するのなら、当然、求職者
からも料金を取る事業モデルなんですよね」と私は、相手が一息ついた所で尋
ねる。
「何を言っているんですか、市川さん。御存じの通り、人材紹介の免許でやる
仕事ですから、人材からは料金を貰いませんよ。企業からの紹介料が収入にな
るに決まっています」
と相手は驚いて答える。
「今時、カウンセリングだの無料相談だのと言うのは、幾らでもありますよ。
どれほど、そのサービスを磨いた所で、その価値を享受する人からは金を取ら
ない。金を払わないからこそ、その求職者はそのカウンセリング・サービスに
価値を見出さないということも十分にあるんじゃないでしょうか。タダならあ
ちこち受けて回ろうと思うのが普通でしょう。つまり、自社のサービスに価値
を見出して足を止めることのない者に阿て、金を払ってくれるお客様の利便は
考えもしない、全くおかしなビジネス・モデルという見方もできると言うこと
ですね」と私は言った。

 毎月の航空券手配を依頼している旅行代理店の担当者と打ち合わせをした。
旅行代理店全般の経営状況を尋ねてみると、先日、航空会社からのマージンが
大きくカットされたので、業界全体で厳しいことになっているという。私に
「ネットで簡単に予約できるし、チケットレスでゲートに行けた方が絶対便利
なのに」と、お節介な忠告をする人々が最近よくいる。不精な私が売出し早々
の割引チケットを入手し続けるのは面倒極まりない。チケットがなければ、い
ちいち何かにアクセスしない限り、一目で予約状況を確認することはできない。
さらに極端な低収益構造と有名な旅行代理店の業界事情や、航空業界の赤字体
質の内情について、ナマの情報が毎月打ち合わせのたびにチケットと共に得ら
れる。

「そうかぁ。マージン・カットねぇ。当たり前だけど、航空会社にとって旅行
代理店が必須の存在なら、マージンをカットはしないよね。じゃあ、旅行代理
店って、旅行する人の代理なのか、旅行させる側の代理なのか、どっちだろう。
誰のどんな利便を図って料金を貰うかが、根っこから問われちゃったってこと
だよね」と、私は彼に話した。

 彼の会社が扱っていないギフト券を購入しに新宿の老舗旅行代理店に赴いた。
宇宙旅行も扱うと聞くこの会社のだだっ広いラウンジには、高級感をひどく欠
いたチラシで、他では見たこともないような変わった旅行企画が多数案内され
ている。ラウンジに座る私の前のカウンターには、引きも切らず高齢の旅行客
が嬉々として訪れては、去って行った。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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  もしも商店経営者が浜崎あゆみの大ファンだったら(通称「もし浜」)

盛りだくさんの内容です。是非ご一読下さい。
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次号予告:
 第260話 『駅の伝言』 (11月25日発行) 
 JRの駅での出来事や風景を組合わせて、組織の大きさとその統制のあり方
について考えてみます。

(完)