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経営コラム SOLID AS FAITH 第258号
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ご愛読ありがとうございます。第258話をお届けします。
10月も終わりに近づき、11周年記念特別号の発行まで残す所５日間となりま
した。零細店舗の経営を考えに考えて、盛りだくさんの内容になりました。過
去のソリアズの内容を振り返りながら考えてみるのは勿論、零細店舗経営を
「店舗経営」と言う特別枠で考えるのではなく、一般的零細組織の経営論に当
て嵌めてみる、当り前のようでいてそれなりに珍しいアプローチも採り入れま
した。ご期待ください。
創刊満11年直前の今回は、新聞を読まない私の目に新聞の紙面はどのように
見えているかを説明した内容です。クライアント先で、新聞記事の話題が出る
たびに聞き役に徹している私に新聞を読まない理由を尋ねる方が、結構存在し
ます。これからは、この号の存在をお伝えして事を済ませようと考えています。
本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへの
お返事の目標納期は５営業日!!
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その258：自己ＰＲ全集
内線電話を取ると、ＰＲ部の部長のいつもの声が聞こえる。
「新しいパッケージのポジとパンフレットは本社から届いたのか。届いている
なら、早くパンフレットの英文を訳して、記事用の紹介文を作ってくれ。で、
いつもの感じで、ブツのサンプルとポジと文章をセットにして持ってきてくれ
ないか」。
私が写真用フィルム会社の日本法人でマーケティング担当だった頃、新商品
について本社から連絡が来ると、ＰＲ部からプレスリリースの材料揃えを催促
される。インターネットもない時代、プレスリリースは郵便で新聞社や雑誌出
版社に送り届けられていた。一桁を割るか割らないかの程度の国内市場占有率。
それでも全世界では第三位のフィルムメーカー。販促予算も国内大手に比べて
微々たるもので、取扱店舗もそう簡単に見つからない程度なのに、プレスリリ
ースは小さな記事に、それなりの確率で化ける。数日を待たず、電話が鳴り止
まなくなる。広告代理店や販促物制作会社からの売り込みの電話が殆どで、卸
や小売、消費者からの問い合わせはほぼ皆無に近い。
スエズ運河を渡って来る船便が遅延して、商品の発売が延期されることがあ
る。スケジュール通りに着いても、商品が損傷していて売り物にならないこと
がある。日本語を分からない者が印刷したパッケージの印刷に不備が見つかる
こともある。さらに、問屋が在庫状況などを理由に仕入量を大きく下方修正す
ることもある。商品が市場に出回る場所もタイミングも、新聞記事通りに殆ど
ならない。訂正プレスリリースが発行されたことはない。
クライアント企業に行くと、社長や幹部が打ち合わせで、「数日前の新聞に
もあった通り」と前置きして話を進めることがある。そのたびに私は、「ああ、
そうなんですか。それは具体的にどういう話だったんですか」などと、一々教
えてもらっている。「新聞ぐらい見て下さいよ、市川さん。せめてネットでも
チェックして下さい」と叱られつつ、説明を受ける。
大学のクラスで習った、ＣＲ（カスタマー・リレーションズ）は買う気のあ
る顧客を本気にさせるための情報発信。ＰＲ（パブリック・リレーションズ）
は、まだ買う気が起きていない人々に良い印象を与えるための情報発信。言わ
れた通り経済紙を拡げてみて、目に入るものの大抵は、ＣＲとＰＲの産物でし
かない。ネットでは、さらに誰が言っているのかさえ分からない情報が増える。
発信元不明や編集元不明の情報。発信元のご都合満載の情報。これらを見聞
きすることに、時間や労力を投じたくならない。新聞やネットで情報を殆どチ
ェックしていないと言うのは、やはり憚るので、「零細事業者なので、日々の
周囲に溢れている情報を読み取るだけで精一杯ですね」と応えることにしよう
かと思っている。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【ＭＳＩグループからのＰＲ】
発行まであと５日！！
現在鋭意推敲中。
ソリアズ11周年記念特別号。10月末日発行予定！
「ソリアズ的“売れる店作り”」
○弊社も企画協力する商工会議所主催の「元気な商店作り」…
会場で聞かれる生の声を拾い、その誤りを分析
○スーパーマーケットなどに適用されるフォーマット論など…
巷に流布する店舗経営の鉄則の検証
○弊社オリジナルのストア・コンセプト・チャート…
ＭＤを応用して、業態転換の可能性を可視化する新フォーマット発表
○ソリアズの過去発表号に見る店舗経営…
注目の内容を集中紹介。
フェアユース規定に期待する少々危険な内容も含めて…
盛りだくさんの内容です。ご期待下さい。
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発行：「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社ＭＳＩグループ（代表 市川正人）
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次号予告：
第259話 『パーチェス・レップ』 （11月10日発行）
当コラム足掛け12年目最初の号は、販売代理店や広告代理店、旅行代理店な
ど、「代理店」と称する商売の人々が、誰の代理として誰の利益を優先するビ
ジネスをしているのかを考えたものです。商流上の登場人物は一緒の構図でも、
誰の利益が優先されるのかが違うだけで、全く異なるビジネス・モデルが生ま
れることに着目してみました。
（完）