バルト9の12時過ぎからの回で見て来ました。
結論から言うと、やっぱ、イマイチです。アメコミが原作なのかと思っていましたが、映画オリジナルなのだそうです。「嫌われ者のヒーロー」と言う触れ込みの予告もよく見ていたので、やはり、スパイダーマンとかバットマン的な、ヒーローの葛藤路線にでも行くのかと思って期待していたのですが、全然でした。
むしろ、所謂浮浪者の社会復帰ドラマのように見えます。「ハンコックはホームレス同然でも、月に落書きをして帰ってこられるほどのスーパーパワーを持っているんだから、その「特技」なり「能力」を活かして、幾らでも社会復帰など可能な訳で、そうではないホームレスは、どうしろっての」などとつい考えてしまうのです。(勿論、メルマガのソリアズにも時々書いているように、詰まるところ、自助努力ができることのメインではあるはずなのですが。)
おまけに、予告には全然出ていなかったストーリー展開で、所謂「ベターハーフ」のような存在が登場します。なんだ、これは恋愛映画だったのかと。で、その彼女もスーパーパワーを持っていますが、その運命のペアの彼女と近づくと互いに普通の人になってしまうと言う「ヒネリ」付きです。で、その彼女は彼の唯一の理解者であろうとするPRマンの嫁さんと言うとところがまた、もう「半ヒネリ」と言うところでしょうか。そのまさに運命の人と生きる道を捨てて、ハンコックはお仕着せのコスチュームに身を包んでヒーローとして永遠の孤独の道を、(顔を見る限り)清清しく選ぶのです。
不老不死のヒーローが、数百年、数千年生き続ける中で、自分の愛する女性がどんどん老いて死んでいくのを見続ける苦しみを、真っ向受け止める生き方もあると思うのですが、その路線なら、例えば、最近アニメ化もされた『ハイランダー』とかになります。『ハンコック』の場合は同類の恋愛相手がきちんと存在しているので、話がちょいと違います。犯人逮捕や人命救助の場面でも、敢えてはた迷惑なやり方を選んでいるとしか思えないふて腐れヒーローなら、世話をしてくれる男の妻を奪い、能力を失って尚、テキトーにスチャラカに生きて欲しいものだと思いました。
ストーリー展開はちょっと違いますが、まだ『Gガール』のユマ・サーマンの切れぶりの方が、余程楽しめます。いっそのこと、ありえるとの噂の続編は、スピンオフ映画にして、スーパーパワーを隠し持っていて、ハンコックと生きる道を選ばなかったシャーリーズ・セロンを主役にして欲しいかなと思うのです。シリアス路線にせよ、何にせよ、『モンスター』や『イーオン・フラックス』などの常人ではない役を演じる彼女同様、様になるような気がするからです。
特撮もののウィル・スミスは、(昨年クリスマスに米国で見た『アイ・アム・レジェンド』は真面目すぎてイマイチでしたが)『インデペンデンス・デイ』・『ワイルド・ワイルド・ウェスト』・『メン・イン・ブラック』・『アイ,ロボット』など、結構好きで、『ハンコック』も前半はその路線なのですが、DVDは買わないでしょうね、多分。微妙です。