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経営コラム SOLID AS FAITH 第207号
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ご愛読ありがとうございます。第207話をお届けします。
とうとう今年も残す所４ヶ月となってしまいました。当コラムは今年十月末
日に創刊９周年を迎えます。９周年記念号の準備を進めつつ、現在、217話ま
でストックされた完成原稿の先のネタを色々練ってみております。
前回発行の第206号を見ますと、予告の中にある第207号の発行日が誤って
記載されていました。お詫び申し上げます。
今回の207話は、抽象的なテーマですが「現実との向き合い方」というよう
なものにしてみました。若者の考える「現実感」と自分のそれを比較してみま
す。あまり経営に直接関わる内容が乏しい展開で申し訳ありませんが、お楽し
み戴けましたら幸いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。
頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は５営業日!!
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その207：現実の咬み跡
今年を最後にするつもりの大学の講義を終えて、非常勤講師の控え室に向か
って歩いていると、名前は知らないが、以前教えた学生がニコニコしながら話
しかけてきた。今年はもう四年生。公務員志望だったが、試験に落ちて急遽就
活に挑むことにしたらしい。現実は厳しいと彼は言い、だから、先生に教わっ
ていて良かったと言ってくれる。公務員の道に進むことが厳しくないと言う道
理は分からないが、学生達のその後を知るのは悪くない。
既に十月。就活サイトも就職課の指導も次の三年生に対象をシフトする。新
卒としての就活には乗り遅れた厳しい就職活動が展開している可能性が高い。
快活には言うものの、やっと辿り着いた面接の場の数々では、面接官が彼を数
多の選択肢の一つとしてしか認識していないことだろう。選ばれず、承認され
ず。精神を病む学生も少なくない。
お気に入りのｉＰＯＤにＰＶの画像まで入れ始めた。ふと4000に及ぶ曲名
を並べて見ると、Real で始まる曲は洋楽に限らず結構存在する。一番新しい
のは、KAT-TUN の ヒット曲、Real Face。スタイリッシュなＰＶを頻繁に見て
いたら、曲を大分覚えてきたので、数年ぶりのカラオケで歌ってみた。速いラ
ップ部分は数をこなしただけあって、問題なく歌える。逆に通常の歌詞の方は
その中身に考え込んだ。ギリギリでいつも生きていたいので、今ここを飛び出
し、リアルを手に入れるんだと歌われている。余裕綽々で生きていて「ここ」
は現実ではないらしい。わざわざ飛び出していかねば現実に辿り着けないのは
どういうことだろうか。そもそも現実は入手したりしなかったりする自由があ
るものなのか。
飲み屋からの深夜の帰り道。千鳥足にさえならない歩調の若い女性が視界に
入る。ばたりと道路に倒れこんだ。繁華街とは言え、時間帯故に人通りは少な
い。意を決して、大丈夫ですかと抱き起こした。何やらブツブツ呟いていた彼
女は、抱きついて来たかと思ったら、支えていた手首に噛み付いてきた。ホス
テスの風体でもない。何か辛いことでもあったのか。「イテテ。噛んでも何に
もなりませんよ。ほら、服が泥だらけになっていますよ」とぎゅっと抱きかか
えてみると、一瞬にんまりと笑った彼女は、安心したのか、そのまま寝入って
しまった。彼女をよろよろ歩かせ、何とか住所を聞き出し、タクシーに乗せた。
タクシーを見送りながら、腕を見るとうっすらと血が滲んでいた。
最近、座右の銘はと問われると、英文ですがと断って、 Reality Bites. と
応えることにしている。飲み屋のボトルなど、何か書けといわれるとつい書い
てしまう。私にとっての現実は、飛び出して行かなくても、日々の瞬間々々に
私を待ち受けていて、深く噛み付いてくる。避けることはできるが、逃げ回っ
ている訳にも行かない。覚悟を決めて抱きとめると、その刹那だけは自分のも
のになってくれる。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【ＭＳＩグループからのＰＲ】
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御社の社員の皆様は、自社の良いところを認識していますか。
それをきちんと取引先などの外部の方々に話し伝えることができますか。
当コラム第１９８話『数寄の理屈』でも紹介された
「愛社精神研修」が効きます。
熱烈なファン作りは直ぐには無理でも、
自社の社員が自社を良いものと語れなくて、
どうやって、外部の人々に自社の良さが伝わるでしょうか。
わざわざコストをかけて、広告するのでしょうか。
居酒屋を満たす会社員の愚痴は聞き苦しいことこの上ありません。
それが会社の良さについての議論だったら、どんなに良いでしょう。
自社の良さを認識すること。口に出して言うこと。
これらは、その良さをさらに強め、伝播させてゆく原動力です。
愛社精神研修を是非ご検討下さい。
実施イメージは第１９８話『数寄の理屈』にて
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弊社代表のオリジナルブログが完成！！
● ソリアズのネタにもなっている留学時代の悪戦苦闘を描いた
『 My Life In Klamath Falls 』（英文）
● 東京で見た映画の感想を備忘目的で書き留めた
『脱兎見！東京キネマ』
● そして、勿論、弊社代表が足掛け９年書き続けて、今尚続く
『経営コラム SOLID AS FAITH 』
全部まとめて、ブログになりました。題して…
ＭＳＩ?ＴＡＬＥＳ
http://tales.msi-group.org/
使い勝手がちょっとイマイチかもしれませんが、
内容・機能性、共に発展途上中です。
カテゴリーの細かい分類が自慢です。
是非、お楽しみ下さい。
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発行：「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社ＭＳＩグループ（代表 市川正人）
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
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次号予告：
第208話 『寓話１１９番』 （9月25日発行）
中小零細組織における幹部の心掛けるべきこととして、自責意識と自ら動く
行動力をよく強調しています。その考え方を伝えるためにしばしば使う「火事
場の喩え」。実際に使っている場面を通して紹介します。
（完）