199 体験のポテンシャル

===================================
経営コラム SOLID AS FAITH 第199号
===================================
ご愛読ありがとうございます。第199話をお届けします。

 第199号と言うタイトルを見て、とうとうかと感慨に耽っております。発行
当初は100話に到達したら、ネタが枯渇する前に止めようと思っていた時期も
あったぐらいでしたが、それがその倍の200号にまで到達してしまいました。

 さらに、200話は当コラム前代未聞の6話連続企画の記念号のシリーズとな
り、現時点で完成原稿のストックは211話まであります。長い道程でしたが、
発行日に追われて慌てて原稿を書くようなことは一度たりとも無く、登録読者
数も大きく減ずることなく、ここまで来る事ができました。長年の読者の方々
も多いかと思いますが、すべての読者の皆様のご愛読に心より御礼申し上げま
す。

 既に継続的に告知申し上げているように、200話発行記念特別号は、名著
『下流志向』をモチーフに前代未聞の6話連続企画のお祭り号となります。鋭
意準備を進めておりますので、ご期待下さい。

 個人で仕事を始めて、経験することは皆、何らかの形で商売のネタになりえ
ることを自覚致しました。しかしながら、それらはともすると道楽の範疇に留
まり、仕事の糧にはなかなか成らないこともあります。今回の号は、その境界
線について考えてみました。好きなことや拘りをもてることを、生業に変えた
中小零細企業のオーナー社長は多く存在します。その生業のあり方をみる一つ
の切り口にもなると考えます。お楽しみ戴けたら幸いです。本文に対するご意
見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期
は5営業日!!
===================================
その199:体験のポテンシャル

 その人に駅で待ち合わせて初めて会った。58歳になり、早期退職制度に応募
する予定で、弊社の提携事業者募集のネット広告を見たという。喫茶店に行っ
て話を聞く。自分の退職の意向に夫人はまだ賛同していないと言う。大学を卒
業してからずっと大手企業の総務・労務畑で仕事をし、子会社・関連会社の体
制作りにも尽力した。その業務経験・知識・スキルを総動員すれば、中小企業
対象のコンサルタントとして独立できると考えている。

 勉強会の実際を見たいと要望する。見て、自分が遣り甲斐を感じ、自分でも
努力すればできる範囲のものであるかを判断したいらしい。自分でできること
なら、ピンと来るものがある筈だと語る。クライアント企業は自社のために弊
社から時間を買っている。物見遊山の温泉宿でもなければ、動物園の熊でもな
い。独立する意志も固まらない者に協力する必然性は全くない。NDAの有無
が問題なのではない。見せて何らのメリットもない。そのクライアント感覚が
想像できなくても、なにやら総動員すれば独立できるのだろう。

 留学中、大学の休みの間に帰国するたび、マーケティング・コンサルティン
グの会社数社でアルバイトした。或る日、新任コンサルタントが先輩に、企業
の認知度改善の依頼に、最初は何をするかと問い糺されている場に居合わせた。
先ずは一次調査で大体の方針を決め、二次調査で診断をし、対策を決めて提案
する。そして、実行支援をする。そんな模範解答を告げた新任者が、無能呼ば
わりされている。小賢しく調べたり、客を意味のないことで振り回したりせず
に、決め打ちするからこそ、プロには仕事が舞い込むのだと。去り際に、道楽
は自分の金で自分の時間にやれと、その先輩は吐き捨てるように言った。
 
 高額の新規ソフトを数年毎に発売するマイクロソフト社の製品に辟易し、エ
クセル・ワードは愚か、OSさえマイクロソフトに依らない方法を模索して、
どうせならと、リナックス・フジをOSにしたマシンを仕立ててもらった。ブ
ラウザもメーラーも元々決められたものしか使えない。プリンタとの相性も悪
い。ネットワークをウィンドウズのマシンと組むのも難航する。ファイルの一
覧を見ようにもエクスプローラーは当然存在しない。入力する際に平仮名・英
字の切替にさえもたつく。不自由感が何だか可笑しい。取り敢えず、週末のウ
ェブチェックと結構作業量のあるテキスト入力の専用マシンにした。メーラー
はサンダーバード。「雷鳥さん」と言う愛称で呼んでいる。雷鳥さんの使いこ
なしがうまく行かず、フォルダ分けもままならない状態が続き、署名を入れる
方法を理解するのにも時間がかかった。
 
 クライアントの担当者から、添付されたテキストファイルがメールの本文の
中になだれ込んでいる理由を問われて、新たな問題に気付いた。道楽は道楽。
雷鳥さんとの不仲を説明しても詮無い。反省してマイクロソフトのマシンを立
上げ、テキストファイルを添付したメールを愛用のベッキーから再送した。
===================================
☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
===================================
【MSIグループからのPR】
創刊以来最長の6話連続シリーズ 200話発行記念特別号

名著『下流志向』をモチーフに、
前代未聞。未曾有の超ロングシリーズ
『斜陽の樹影』全6話をお届けします。

『下流志向』のサブタイトル
「学ばない子どもたち働かない若者たち」
の具体例を弊社事業の観点から見つめます。

 第一弾 200話 『伸びる棒』
 第二弾 201話 『不愉快な穴』
 第三弾 202話 『危険手当』
 第四弾 203話 『動物の覚悟』
 第五弾 204話 『互助の始まり』
 第六弾 205話 『変態の約束』

弊社提携IC担当者による
ソリアズのバックナンバーの振り返りや、
『下流志向』の掘り下げなど…
周辺記事も充実! 乞うご期待。

注)
 既に一度報告致しましたが、シリーズ6話のタイトルの組合せから、一部の
読者の方が、性的行為や性的関係の展開を描いた長編シリーズを想像していた
ことが判明しております。本シリーズ6話にそのような内容は含まれておりま
せんので、安心してお読み戴けます。
===================================
弊社代表のオリジナルブログが完成!!

 ● ソリアズのネタにもなっている留学時代の悪戦苦闘を描いた
 『 My Life In Klamath Falls 』(英文)
 ● 東京で見た映画の感想を備忘目的で書き留めた
 『脱兎見!東京キネマ』
 ● そして、勿論、弊社代表が8年書き続けて、今尚続く
 『経営コラム SOLID AS FAITH 』

 全部まとめて、ブログになりました。題して…
 MSI?TALES
 http://tales.msi-group.org/

使い勝手がちょっとイマイチかもしれませんが、
内容・機能性、共に発展途上中です。
コンテンツのカテゴリーも今後増加予定。是非、お楽しみ下さい。
===================================
発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
 発行しています。
 (http://www.mag2.com/ ) 
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず 9年目に突入。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
 http://blog.mag2.com/m/log/0000019921
★弊社代表のコラムが色々満載。
 ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める新設ブログ。
 http://tales.msi-group.org/
★検索機能が便利。機能性を活かしたバックナンバー・サーフィンならこちら。
 http://cyblog.jp/saf-list.php
★講読の登録・解除はこちらのURLでお願いします。
 http://www.msi-group.org/SAF-index.html
===================================
※ ご注意!!
 サーバのエラーなどで読者登録が解除されてしまった方がいらっしゃる様子
です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。届かない場合
には、弊社ホームページで発行状況をご確認の上、再登録をして下さい。
 http://www.msi-group.org/SAF-index.html
===================================
次号予告:
 第200話 『伸びる棒』 =斜陽の樹影(1)= (5月25日発行)
 超現実主義の小説との出会い。高校時代、提出した現国の課題の作家研究を
読んだ先生から、「当分、この作家の小説を読むな」と言い渡されて、徐々に
気付き始めた、学びの本質。成長し得る自分の自覚。こんな話をまとめた一本
です。
(完)