194 大義の実感

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経営コラム SOLID AS FAITH 第194号
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ご愛読ありがとうございます。第194話をお届けします。

東京に居ても尚、聞くことはあっても、現状、全く自分では感じられない花
粉飛散に怯えつつ過ごす毎日です。花粉症の読者の皆様、如何お過ごしでしょ
うか。前号でも書きましたが、同病の皆様、是非諺通り、相憐れみましょう。

さて、今号の『大義の実感』は、中小零細企業の経営者や個人事業主が何の
ために仕事をしているのか、または、何が面白くてリスクある事業を続けるの
か。そんなことを、弊社の提携IC事業者募集のネット広告に応募してきた人
物との会話を通じて考えてみたものです。本文に対するご意見・ご感想をお待
ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!

PR欄は、この号でも登場する弊社の提携IC募集活動をチラリと紹介致し
ます。
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その194:大義の実感

「会社を退職したら、役に立っている感覚がきちんともてる仕事をしてみたい
と、ずっと思っていたんです。市川さんの話を聞いて確信できました。日本の
経済を下支えしている中小企業の役に立つこと。市川さんのお話にはダイナミ
ックな手応えのようなものがあるじゃないですか。もう、ヒーローですよね。
格好良いです。子供の頃に観たヒーローもののマンガがずっと好きだったんで
すよ。勿論、大人になって、闘うべき悪がいないことは分かるし、変身したい
とも思いませんよ。けれど、なんかこう、命とか人生とか投げ出して、やり遂
げた実感のあることに取り組みたかったんですよ」。
有能なSEとの評価と言う50代前半の彼の話を私は黙って聞いていた。早
期退職制度に応募してもうすぐ退職するという彼は、私の提携独立事業者募集
のネット広告を見て応募してきた。一頻り、私が自分の仕事を説明し終わると、
同じことをしたいと熱く語る。

あまりの息苦しさに、まとまらない答えが口をついて出る。
「ああ、私の仕事なんて、格好の良いこと全然ないですよ。ヒーローねぇ。何
でしたっけ。グレンダイザーでしたっけ。主題歌の中に、『一輪の花のために、
命をかける』とか言うのあったじゃないですか。あんな凄い性能のロボットな
んだから、もっと凄いことやればいいじゃんとか思いませんでしたか。まあ、
あの巨大なメカを使って、一輪の花を守るって非効率を、敢えて言うところが、
結果的に人の心を打つのかもしれませんね。
で、仕事に大義名分必要なんですか。私とはテイストが合いませんね。目の
前のお客さんが金を払うって言うんだし、恥かかない程度にできることなら、
何でもやればいいんじゃないんですか。もしかすると、今のお仕事のままでは、
ヒーローとやらになれない理由を最初に教えてもらった方が良いかもしれませ
んね」。

或る社長が「最近、何かあった?」と聞くので、件のヒーロー志願者の話を
大筋で話し、「社長、日本経済の下支えをするために、毎日、人生をかけて闘
ってますか」と水を向ける。
「あはは。人生かけるも何も、自分の人生を下支えするのに必死で、経済のニ
ュースなんかを見る時間もないわな。市川はそんなウチを下支えして、日本経
済を救う訳かよ」と、大笑いして応える。
私もつられて吹き出して、「まさか。社長が面白がってくれて、お金を振り
込んでくれたら、後はなんだっていいんですよ。日本経済なんて知ったこっち
ゃないですよ。なんだかんだでドタバタして、新聞も取ってないのに」と言い
切るのが大変だった。

その会社からの帰路、地下鉄の駅の壁に自殺防止を呼びかけるポスターが貼
られている。若手女優がアップで載っていて、「命は大切だと一万回言われる
よりも、君は大切だと言って欲しい」のようなことが書かれている。立ち止ま
って反芻する。秀逸なコピーに何度も頷いた。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

●サラリーマン・OLを続けてきて、30歳を過ぎ、
企業を顧客とする資格を受験しようと考えている方
●または、既にそのような資格を取得し、
案件獲得に苦労していらっしゃり、
資格活用や案件獲得の上での悩みを抱えていらっしゃる方など、

(一部)独立志望の方、必見。

提携IC、未だ継続募集中!!
今号『大義の実感』の内容にも言及する
圧巻のボリュームの広告。

弊社の事業のあり方や、
弊社事業の顧客との関係性などなど。
詳しく分かります。
是非、ご覧下さい。
http://www.ki-dousen.net/modules/wfsection/article.php?articleid=27

また、合わせて弊社サイトの関連ページもご覧下さい。

中小零細企業を対象としたビジネスによる独立を支援する
『“士”業支援』のページ
http://www.msi-group.org/MSI-ExpertSup.htm

大手出身 中高年ホワイトカラー人材の転職・独立を支援する
『中高年支援』のページ
http://www.msi-group.org/MSI-4enlightening.html

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【創刊以来最長の6話連続シリーズ 200話発行記念特別号】

前代未聞。未曾有の超ロングシリーズ
『斜陽の樹影』全6話をお届けすることとしました。
5月開始スタート。

名著『下流志向』をモチーフに、
延々展開される200話発行記念企画。
『下流志向』のサブタイトル
「下流志向 学ばない子どもたち働かない若者たち」
の具体例を弊社事業の観点から見つめます。

第一弾 200話 『伸びる棒』
第二弾 201話 『不愉快な穴』
第三弾 202話 『危険手当』
第四弾 203話 『動物の覚悟』
第五弾 204話 『互助の始まり』
第六弾 205話 『変態の約束』
各号の要旨の紹介は次号から。ご期待下さい。

注)
前号から公開した6話のタイトルの組合せから、性的行為や性的関係の展開
を描いた長編シリーズを想像する読者の方がいらっしゃることが判明致しまし
た。本シリーズ6話にそのような内容は一切含まれておりません。
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず 9年目に突入。
マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。届かない場合
には、弊社ホームページで発行状況をご確認の上、再登録をして下さい。
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次号予告:
第195話『贈らぬ言葉』 =サウンド・スペース(1)= (3月10日発行)
今はもう、どこに行くにも手放せなくなったiPODを買って最初の出張の
際に乗った新幹線を舞台に、往路・復路の各々で感じたことをまとめてシリー
ズ化してみました。前編は隣席の簿記三級の勉強に励む若手社員のひたむきさ
を考えてみました。シリーズ二作ともに、珍しくかなり叙景的な文章です。お
楽しみに。(完)