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経営コラム SOLID AS FAITH 第177号
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ご愛読ありがとうございます。第177話をお届けします。
例年の定番のご案内で恐縮ですが、この号が皆様に届く頃には、札幌市で開
催されるヨサコイソーラン祭りが最終日になっています。私は、これまた例年
の通り、「さぁさ、みんなでどっこいしょ」と言う、振り付けも好い加減、衣
装はばらばら、楽しければなんでもよし、と言うかなり異色のチームで、踊り
まくっていることと思います。ご覧になる機会のある方は、是非、私の参加す
るチームも見てやって下さい。私は多分、頬に「大学講師」と書いている筈で
す。
さて、組織は当たり前のことですが、人から構成されていて、人を抱えるこ
とのリスクを、常に内包して存在しています。そのリスクを抱えていること。
そうだからこその成長の可能性。今回の号は、そのようなことを雑駁ながら考
えてみたものです。まあまあ締まった文章になったような気がします。お楽し
み戴けたら幸いです。それでは、本文に対するご意見・ご感想をお待ちしてお
ります。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は５営業日!!
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その177：いきものの仕事
家でDVDを見ている夏の日曜日、妻と４歳の娘が、「ああ、もう」などと言
いながら、右往左往している。そうこうしていると、電子音がどこかで鳴る。
娘が最近手に入れたたまごっちである。「ほらまた呼んでる」と妻が来る。
窓の脇にはプラスチックの虫籠があって、中には妻が山で取ってきたお玉杓
子がウヨウヨ泳いでいる。蛙に成ってしまうと、陸を作らねば死んでしまうと、
妻が置いた石に今日も二匹ほど小さな蛙が乗っている。「図鑑見たけど、蛙に
成ったら、生餌しか食べないから、結局、川に放しに行かなきゃならないんだ
よね。ああ、また蛙になったのかあ」と、虫籠の蛙を捕まえて、近くの川に行
くという。
そのうち、猫が二階で鳴いて、外に出たいと喚く。娘は猫が言うことを聞か
ないと怒っている。傍らで縫いぐるみや人形まで寝かしつけたりしている。庭
ではさくらんぼが刻一刻と熟し、一日の猶予もないらしい。トマトも雨でひび
割れぬよう、採取しなくてはならない。雑草も蔓延る。妻が庭仕事をしていて、
「これキアゲハの幼虫だよ」と三匹ほど捕まえてくる。また虫籠が増える。面
倒が見られなくなるだろうに、「予想外のことが起こること」、「どんどん成
長して変わっていくこと」が楽しいのだと、扶養家族をさらに増やす。
昔住んでいた小田急線沿線の辺りの桜を扱った歌があると言うので、「いき
ものがかり」と言うバンドのＣＤを買った。ひらがなで見るので、「神がかり」
とか「係り結び」とかと混同し、昔で言う「飼育係」や「動物委員」のことだ
と分かるのに時間を要した。ゆとり教育の一環なのか、不必要に優しい表現だ
と理解ができない。曲は気に入ったが、忙しないいきものがかりは既に家に十
分存在するので、願い下げである。
クライアントの社長と階層別研修の企画について打ち合わせをした。中堅企
業のこの会社では、幹部候補の若手人材が連続して退職した。「話をしている
と、苛立たしくて仕方ありませんよ。会社の都合、こっちの都合はお構いなし
に、『辞めます』と来ますから」と社長は苦々しげに言う。考えてみると、社
員のみならず、お客も地域住民もオカミも株主も銀行も、皆本来、こっちの都
合などお構いなしではなかったか。
予想の付かないこと。こっちの都合に何の配慮もなく容赦なく起こること。
それは経営上のリスクであろう。リスクであれば、リターンが期待できる。
私はストレス耐性が低い。“はらはらどきどき”は身に応えるので、リスク
を避けるべく、顧客は知り合いや紹介ばかり、社員は雇わず、株主も作らず、
金も借りずで、仕事をしている。リスクもちょぼちょぼなので、リターンも僅
かと知っている。
「こっちの都合はお構いなしですか。変化・成長の可能性がたっぷりで宜しい
ことですね」
と、件の社長を真顔で称えた。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。
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＜ＭＳＩグループのＰＲ＞
関東地区でのお引き合い増加にお応えするために
新宿駅徒歩数分圏に、超零細事業拠点の設置を決定。
７月中旬稼動開始を目指して準備中！！
と言うことで、
家具の見繕いから、カーテン選び。
保証人のお願いやら、初期費用の交渉
付近の生活インフラ確認のためのフィールドワーク
今までの契約ホテルの引き払いと荷物搬入の計画作り
などなど、色々と駆けずり回っております。
合わせて、６年目に入っている札幌市の大学での講師稼業も、
今年で一旦中止し、通常案件への対応に特化します。
近況はＰＲ欄にて随時報告いたしますが、
関東圏での新規お引き合いを
今まで以上に、歓迎致しますので、お気軽にご一報下さい。
補記：
超零細事業拠点開設準備の一環として、
ｉＰＯＤのハイエンド器を購入しました。
2000曲を入れて携行し、細かに選曲して聴いているうちに、
持ち歩く曲を選択する作業が事前に伴う
従来の携帯音楽機器との使用スタイルの違いを痛感しました。
その新鮮な発見を当コラムのネタにしました。
約一年少々の後になりますが、
作品として皆様にお届けできることと思います。
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発行：「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社ＭＳＩグループ（代表 市川正人）
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次号予告：
第178号 『安価の衝撃』 （6月25日発行）
先日急逝した池田晶子氏の文章をヒントに、安いもの、安いサービスの価値
を考えてみます。結構笑える仕上がりだと思っています。ご期待下さい。（完）