497 平方の効果

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経営コラム SOLID AS FAITH 第497号
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 ご愛読ありがとうございます。第497話をお届けします。

 今年も残すところ3ヶ月弱となって、とうとう毎年恒例の周年記念特別号
の発行タイミングとなりました。今年は『自然派宣言』と題して、『言って
はいけない』並みにヤバいネタを『ゴーマニズム宣言』並みに躊躇いなく、
お届けしてみようと考えています。詳細はPR欄にまとめましたので、ご笑覧
ください。

 今回の号は『平方の効果』です。最近海外でも重視されるようになってい
るとされる「努力」についてまとめてみたものです。意見・ご感想をお待ち
しております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!

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その497:平方の効果

「努力には二種類あるということを、皆さんはごぞんじでしょうか?その一
つは「直接」の努力。もう一つは「間接」の努力です。「間接の努力」とは
準備段階における努力で、基礎となり、自分の源泉となる努力です。「直接
の努力」とは当面の努力で、一所懸命にがんばっているときの努力です。人
はときどき、努力が無駄になることを心配し、嘆くことがあります。しかし
努力とは、「結果がでそうか・でなさそうか」によって、「するべきか・し
ないべきか」を判断するようなものではありません。努力というのは、人が
いつまでも自らすすんで実行し、やめることをしない、人間性の本質なので
す」。

 著書『努力論』で幸田露伴はこう述べて、「だから、私たちは、努力すべ
きなのです」と結論付けた。さらに「『努力している』、あるいは『努力し
ようとしている』ということを忘れてしまい、『気づいたら自分がやってい
ることが、いつのまにか努力になっている』という状態になってほしいので
す。それこそが努力の神髄であり、醍醐味でしょう」と宣う。

 アンジェラ・ダックワースはベストセラーになった『やり抜く力』で、成
功にはもって生まれた「才能」よりも、「努力」が必要であることを式にし
て示した。この場合の「努力」は「やり抜く力」による継続した取り組みの
こと。そして「才能」の方は「スキルを上達させる速さ」を指している。
「才能」を活かす「努力」をすると、それが具体的な「スキル」として形成
されるので、「才能×努力=スキル」(1)となる。そのスキルのレベルが上
がって或る目的を極めようと、再び「努力」を重ねると、成果が「達成」さ
れるので、「スキル×努力=達成」(2)。

 二つの式を見比べ、(2)の式の「スキル」に(1)の式の左辺を代入すると結
論が出る。
「才能×(努力の二乗)=達成」。

 この式を以て、ダックワースは、「『達成』には『才能』も重要だが、そ
れ以上に『努力』が重要である」という。さらに幸田露伴の主張を容れれば、
目的を持った努力など邪道ぐらいの評価であろう。何事にも努力が求められ、
一定の達成がそこに約束される道理。

 或る飲食店のクライアントの社長が、三ヶ月前に雇った中途採用者につい
て「指導をしてきたが、段取りが悪いのがいつまで経っても治らないので、
面談して本人も納得して辞めてもらった」と私に説明した。この会社での
「指導」はOJTしかないことを私は知っている。そして、「いつまで」の上
限が三ヶ月弱しかないことも知っている。「努力」の二乗を大幅に超えるほ
どに、この飲食店では「才能」が求められている。そうであるなら、既存社
員は、その見かけによらず、高度に「才能」溢れる人々であるということな
のだろう。

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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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とうとう今月末日から発行開始!
『経営コラム SOLID AS FAITH 21周年記念特別号』
題して『自然派宣言』

文章量が膨大なので、
前篇と後篇に分けて発行します!

前篇は10月末日発行。
【前篇『日本のありよう』目次】
■序(前後篇共通) 『ザ・コンサバ・ライフ』
■第一章:変種のチンパンジーの類、そして、その先
■第二章:能天気な人々の末路
■第三章:不備だらけの理性と素人の目標
■第四章:妄想の職業選択
■前篇 あとがき

そして、後篇は11月末日発行。
【後篇『企業組織と女性のキャリア観』目次】
■序(前後篇共通) 『ザ・コンサバ・ライフ』
■第五章:寄ってはいけない大樹の陰
■第六章:女性の非活用(1) 女性の社会進出編
■第七章:女性の非活用(2) 女性のキャリア形成編
■後篇 あとがき

さらに、なんと、
後篇が発行される直前の11月25日から4話連続で
『経営コラム SOLID AS FAITH 500話発行記念特別号 =回路明察=』
シリーズの発行開始!

つまり、2020年10月から2021年1月まで…
超豪華。連続4ヶ月間記念特別号三昧!
ご期待ください。

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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR

「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
師匠・市川のクライアントでもある株式会社関矢製菓様にて
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『売ってはいけない …』 永井孝尚 著
■『… 問題解決見るだけノート』 堀公俊 監修
■『もしブラック・ジャックが仕事の悩みに答えたら』 尾崎健一 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第498話 『犍陀多の未来』 (10月25日発行) 
 海外の投資家から日本の企業群の低生産性や低配当体質が非難されること
があります。日本的経営の特長の一つを検証してみました。

(完)