138 一般的広範囲

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経営コラム SOLID AS FAITH 第138号
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ご愛読ありがとうございます。第138話をお届けします。

今年も通常号の発行は今号を含めて5回となりました。月日の経つのは早い
もので、既に当コラム『ソリアズ』も、創刊6周年となります。恒例の6周年
記念号は、原稿も完成致しまして、計画通り、今月末日の発行とできそうです。

三人もの方から寄稿を戴き、その寄稿内容と緩くリンクする形で、全体を、
ソリアズの発行方針や存在意義についての評論のような内容にまとめてみまし
た。過去の1?5周年記念号の『お祭り号』的なイメージと異なり、見ように
よっては零細企業経営論とも、IT活用論とも取れるような、比較的真面目な
内容です。いつも通りかなりの長編ですが、ソリアズの舞台裏を知る予備情報
としてお楽しみ戴けましたら幸いです。

今号のPR欄には、6周年記念号のサワリを少々と、その中で紹介されてい
る『ソリアズ読解シート』の前情報を少々、まとめてみました。是非ご一読下
さい。

さて、第138話は、弱い立場の中小零細企業の経営には必須とされる『差別
化』の本質を考えてみることとしました。きっかけは、スーパーマーケットで
聞いた夫婦の会話です。ご意見・ご感想お待ちしております。頂戴したご感想
などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その138:一般的広範囲

スーパーに買物に行ってぶらぶらしていると、家族ずれの買物客がかなりい
る。夫がカートを押しながら、トイレット・ペーパーを手にすると、「これ
じゃなくて、そっちよ」とか、「いつも買ってるのは、“売り切れ”みたいだ
から、次ぎの店で買いましょ」などと妻が商品を棚に戻す。

トイレット・ペーパー一つにも、ミシン目の有無、巻の長さ、紙の質、包装
当たりのロール数などの組み合わせは、途方もない数に上る。さらにそこへ、
メーカーと商品のブランドが覆い被さり、ことはさらに複雑になる。食品もほ
ぼ同じ状況であろう。食品やトイレタリー用品は、「最寄品」と言う商品カテ
ゴリーと診断士試験対策で習った。「最寄品」とは文字通り、商品の細かな差
異に拘らず、最寄りの店で間に合わせる商品と言う意味であろう。一方、衣類
などは好きなものを追求して買い回るからこそ、「買回品」と習った。トイレ
タリーも食品も買い回るのであれば、最寄品は存在しなくなり、品揃えによる
差別化が非常に容易になる理屈であろう。

ビジネス誌を見ると、GMSと言う業態の是非論が喧しい。近くの店で片付
けて良い買物が多いなら、その品揃えを多くし、廉価で念を押し、そこで全部
を買い揃えて貰える様にした者が勝ちである。それが大型店の強みであり、零
細店は基本的に“個性”で差別化するしかないと、流通の素人の私でもどこか
で学んだ。

北関東で有名な靴店の社長の講演を聞いた。中堅どころの二店を構えるに留
まりながら、大手チェーン店をも圧倒して業績を伸ばす彼は、業界でも有名人
で、零細靴店経営者の羨望の的である。講演の時間枠の半分で彼の話は終わっ
た。「話しのプロではないので」と残りの時間は来場者からの質問に充て、大
手競合店との差別化についての質問に答える。

「大手だって、差別化してるんですよ。彼らだって、私が若かった頃は、小さ
な店を2つ、3つやっている程度だったんですよ。けれども、競合が激しくな
って、沢山の商品を抱えるリスクをとって、沢山のお客を集める“差別化”に
打って出た訳ですよ。この作戦はしんどいですよ。在庫は抱えるし、従業員を
増やせば、店作りがグチャグチャになるし。しかし、何よりしんどいのは、
“普通より売れる品揃え”なんて、分からんことですよ。今時、『靴なんか履
ければ何でも良い』なんて言う客は居やあしないんですから。それに比べたら、
零細店なんて楽です。近所のたかだか百人・千人の好みを考えて奨めるだけで
すから」。

「総花的なマーケットを廉価の量産品で攻める大手はやりたい放題で、零細店
は圧迫されて、隙間で差別化を図るばかり」と、つい思う。しかし、総花的な
市場は世の中に殆ど残されていない。中小零細の方が、「社長の好みで、市場
の好きな部分だけ食い散らかし放題の気楽な経営」と、合点した。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。
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<MSIグループのPR>

● 毎年10月31日は、記念号発行の日!!
と言うことで、原稿も一旦完成し、
6周年記念号を来る10月31日(月)に発行することとなりました。

いつもの如く、経営についての直接的な示唆などは含まれていず、
さらに、今回は、タイトルランキングも特別原稿もありません。
内容をちょっと紹介すると…

ご寄稿 由佳子様、大橋様、T様(3人分)の他、
『東京の会社風景を描くソリアズ』
『ソリアズ 相互広告お断りマニュアル』
『読者数逓減とソリアズ』
などなど。ちょっとシリアスな内容が満載。ご期待下さい。

● さらに、『ソリアズ読解シート』のご紹介!
私が教える札幌の大学で
学生のビジネス理解と文章構成の教材として
ソリアズを活用するために構成した、ワークシート一式です。
※パワーポイント形式 (22KB)

6周年記念号では、活用者第一号のT様の感想が読めます!

ご希望の方に、メールにて無料で提供致します。
お名前・ご住所(都道府県名のみ)・ご職業(学生含む)・ソリアズ講読歴
ソリアズ一言感想を明記の上、下のアドレスにご一報下さい。
bizcom@msi-group.org
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発行:
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号(通常号)予告: 第139号 週末の来訪者(11月10日発行)
ランチェスターの弱者の戦略を日常から考えてみた今回の号に続いて、次号
は週末の出来事で思い起したピーターの法則です。ウンウンと頷いて頂けたら
光栄です。(完)