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経営コラム SOLID AS FAITH 第120号
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ご愛読ありがとうございます。第120話をお届けします。
早いもので、新年が明け、既に最初の一ヶ月が終わろうとしております。皆
さま、如何お過ごしでしょうか。私は賀状に書き添えられた「久々に顔を見せ
に来いよ」への対応がいまだに完了せず、ありがたいお声掛けに、失礼をその
ままにしてしまっております。
今年の大学講義の評価と来年度の準備、柄にもない講演準備、そして、各種
企画書作成など、幾つかの作業が重なり、ホームページの新スタイルへの置換
が滞っておりますが、徐々にページが変わって参ります。巻末に進行状態をま
とめました。ご一読下さい。
さて、今回の号は、大手企業の脆弱性に関してマクロ的に捉えてみました。
頷いて頂ける所がございましたら幸いです。ご意見・ご感想お待ちしておりま
す。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その120:逃げない象
変なフォルムの輝かしいビルがテレビの画面一杯に出てくると、往年業界の
頂点を極めたような大手企業の凋落や瓦解を伝えるニュースであることが多い。
私が以前取引先として、その社員の友人として、そして私自身が社員として、
内部を知ることがあった、幾つもの大手企業も登場する。どれもが、憤慨させ
られたり、釈然としない想いを抱かさせられた企業である。垣間見た部分から、
必ずしも全体を推測できるものでもない。しかし、垣間見た部分が、仮に全体
の一部であっても、そのようなことを放置できる企業の暗い行く末を、私は十
分に感じることができたと思っている。
番記者が貼り付いているのか、PRの担当者が夥しい数存在するのか、これ
らの企業群のニュースは、隆盛を誇る頃から新聞に雑誌にテレビに多数載せら
れてきた。縦で割っていた組織構成を横にしただの。トップがごぼう抜きの出
世で交代し、何とか式の経営スタイルになっただの。関与すれば誰もが知る、
あいも変わらない「一部の実態」に触れることなく、報じられる変革の行方が
占われてきた。
書店に行くと大手企業組織を巨象に擬え、それを軽快なステップで躍らせる
のが良い経営者だと主張する書籍がベストセラーになっていた。「小さな会社
が良い」などと言うのは、会社を大きくできない者の言い訳であって、企業経
営たるもの、多くの資源を思うままに動かすダイナミズムを追求すべきである
らしい。そこで求められるのは巨象をも美しく躍らせるテクニックであると読
み取れる。
「象さんが地面から出てくるよ」と20年も前に行ったロサンゼルスのタールピ
ットの写真を見て娘が言う。タールピットは、地表に湧き出たタールが池や湖
のようになって、そこに足を踏み入れた動物を次々と飲み込んだと言う。そこ
から見つかった膨大な数の化石を展示する博物館の周囲には、今尚、小さな囲
いで区切られた地面から、かさぶたの下のどす黒い血のようにコールタールが
顔を覗かせている。写真の象は、地面から出てきたのではない。為す術もなく
タールに飲み込まれて行く象の巨大な模型である。
なぜ、象達は悠久の時の中で、タールに飲み込まれ続けたのか。ゆで蛙の如
く、人為によって鍋に入れられたのではない。なぜ、地表が徐々にタールに侵
される時、それを回避することができなかったのか。抜けない程度の杭に繋い
で小象を育てると、杭からは逃れられないものとして象は認識し、巨躯になっ
ても小さな杭から逃げようとしないと聞く。
巨象を踊らす経営者の本の近くに、なぜ会社は変わらないのかと、そのまま
に問う本も並ぶ。踊る象は本になるくらいに珍しい。鮮烈な印象を残す巨大模
型と無数の化石を目の当たりにしたので、大抵の象は逃げずに捕われ、そして
沈んで行くものと私は信じられる。
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次号予告: 第121号 困難な結索 (2月10日発行)
昨年後半、私のクライアントになって下さった書店の経営者との会話の際に
話題となった、日常業務を見直す努力についてまとめてみました。平凡な会話
調ですが、何とはなしに気づきがあるかもしれません。ご期待下さい。(完)