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経営コラム SOLID AS FAITH 第119号
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新年明けましておめでとうございます。
今年もご愛読の皆様に、毎月二回ずつ謹んで当コラムをお届け申し上げます。
既に正月気分も抜け、皆様は平常のお仕事に勤しんでいらっしゃることと思
います。私の方は例年の如く、Ａ４判の特大年賀状をお世話になった皆様に遅
れ馳せながら送付し、その後は企画書書きや、自社ホームページ作成、そして
当コラムの原稿書きなどに勤しんでおります。読者の皆様で弊社の特大年賀状
をご所望の方がいらっしゃいましたら、郵送致しますので、メールにてご一報
下さい。詳しくは、ＰＲ欄にて。
さて、今年初のソリアズは大手企業出身の中高年ホワイトカラー人材が、中
小オーナー企業の変革に悩む話です。組織の変え方、動かし方について考えて
みました。ご意見・ご感想お待ちしております。頂戴したご感想などへのお返
事の目標納期は５営業日!!
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その119：烏の掟
映画のＣＧの技術がどんどん進化していると、詳しい友人が私に教えてくれ
た。説明の中で、飛び去る鳥の群れの作り方が印象に残った。一羽一羽の飛ぶ
経路を規定していては、膨大なプログラミングが発生する。かといって、群れ
の形を作ってそのまま全体をグイと引っ張るのでは紙芝居レベルである。
レイノルズと言う技術者はカラスだかの群れを執拗に観察して、鳥の群れの
動き方には三つのルールしかないとしたと言う。鳥が特に多い方に向かって動
く、他の鳥と速さと方向を合わせようとする、近づきすぎたら離れようとする。
非常に明解なルールである。コンピューター中の各々の鳥にこのルールを覚え
させておく。そして、密集している所の一羽をグイと動かすと、他の鳥達は、
慌てて本物さながらに飛び去って行く。
知人の子供が、流行の自転車を買ってとせがんでいる。「もうクラスのみん
な持っているよ」と主張したと言う。三人程度から同じ主張を聞くと、それが
集団全体の主張と考え始めると言う心理学の実験結果か何かを読んだ覚えがあ
る。知人によれば、自転車を買って貰った子はクラスに二人しかいなかったら
しい。
老舗の中小企業の営業建て直しを期待されて再就職先を獲得した５０代の男
性に久しぶりに会った。「建直そうにも、周囲は僕の言うことに耳も貸してく
れませんよ。社長だって、面接では『破壊と創造』とか言っていたのに。結局、
何も変わらないんです」と言葉を詰まらせる。以前、「営業の場面では、先方
の会社の利益に貢献するような抜本的な提案を、反対とか疑念を押切って通し
て、結果が出ると、嬉しいですね」と、前職を思い出して彼は笑っていた。他
人の会社には意見を通せても、自分の会社では何一つ受け入れてもらえないと
言うことだろう。
「２：６：２の原則とか、２＝８の原理とかって、聞いたことがありますよね。
仮に５０人の社員がいても、実際にことを決めて組織を引っ張っているのは１
０人弱ってことだと思うんですよ。まして、オーナー社長の会社なら、実質、
社長も含めて数人でしょう。その数人さえ説得できないんですか。たかが、二
人、三人のことでしょう」と私は言う。
営業経験者なら「キーマンを落とせ」と知っているはずであろう。キーマン
をグイと引っ張れば、組織は簡単に動く。頭数は多くても、烏合の衆は簡単に
そして自然に動くことはコンピューターでシミュレーション済みなのだから。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。
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合資会社ＭＳＩグループ（代表 市川正人）
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発行しています。
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次号予告： 第120号 逃げない象 （１月25日発行）
カラスの次ぎは象の話で、動物の例えが続きます。テレビを見ていると、巨
大な企業の凋落ばかりを目にします。大手企業は強いのか弱いのか。そんな子
供地味た比較論も耳にするようになりました。大手企業の弱みについて、少し
だけ考えてみました。文章は捻りに捻ったものになりましたので、ご堪能戴け
ることと思います。ご期待下さい。（完）