115 無知の商品化

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経営コラム SOLID AS FAITH 第115号
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ご愛読ありがとうございます。第115号をお届け致します。無事、5周年記
念特別号も発行を終えることができました。お楽しみ戴けましたでしょうか。
改めまして、寄稿などでご協力を戴いた皆様に御礼申し上げます。

前号から告知をしておりますネット上の通信教育『「経営者のココロを捉え
て」メシを食う』の第三期は、まだまだ、ご参加の方を募集しております。こ
の号が届く頃には、開始前ギリギリですが、税理士や社労士、FPやITコー
ディネーターなどの方々のお役に立てる内容です。是非、ご検討下さい。ズバ
リ、中小零細企業の社長さん相手の商売のヒントがテンコ盛りです。詳しくは、
下のPR欄をご覧下さい。

今回の号は、お客様のニーズに耳を傾けるのが良いのか、そんなものなど聞
いてはいけないのか。書店のビジネス書の背表紙を見ると眩暈が起きる程に各
種の主張が存在します。お客様ニーズは自分の商売にどう取りこむべきなのか。
その点に絞って、やや暴論を展開してみました。意見・ご感想お待ちしており
ます。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その115:無知の商品化

深夜の新宿を歩いていると、易者が店仕舞を始めている。カネのやり取りを
ベースとしたコミュニケーションを企画する請負業者としては、易者ビジネス
の成立条件には興味が湧く。眺めていると、「悩みがあるなら、役に立ちます
よ」と言う。

「もう、店仕舞だし、勉強中の身なんで、外れたらタダで良いですよ」と言う
ので、黙って手を差し出すと、「これは難しいなあ。お客さん、会社勤めなの
かな。悩みは職場の人間関係だろうね」との結論だった。外れなので、その旨
を告げて帰途に就いた。荒れの少ない手と安背広。ビジネス系とは言えウォー
キング用のごつい靴。終電ギリギリに新宿駅から徒歩で現れ、急ぐ様子もない。
女連れでもなく、酔ってもいない。何か違和感が残るままの「会社員」と言う
判定と思われる。物凄いパターン化である。

よく当たると評判の易者の再三見てもらうと言う経営者を知っている。私が
経験したようなプロセスでも「その通り」を言わせ続け、その結果、「大当た
り」に至るとすれば、それは、易者の方で決め付けたライフスタイルのモデル
と、そのモデルごとに類型化された悩みに、単に客が合致していただけに過ぎ
ないことになる。そして、「大当たり」に、至らなかった客は去り、「大当た
り」の客はリピーターとなる。精緻なパターンに嵌るのなら、ニーズは簡単に
「言い当て」られ、そして、アドバイスは「有益そのもの」であろう。

「市川さんは、よく『中小零細企業の社長は孤独で、社員に対する猜疑心で一
杯だ』とか仰るじゃないですか。私の実家も小さな会社をやっているんですが、
父はそんな人ではありません」。
最近或る女性から言われた台詞である。私は中小零細企業の経営者にセミナ
ーや人材紹介をどのように販売するかを考えてきた。会ってじっくり話を伺っ
た社長の数は三桁になる。彼女の父は知らず、全国の経営者に意識調査をした
のでもない。単に自分の経験から、中小零細企業の社長の置かれた状況や心境、
そして新たな出費も厭わないニーズについて、仮説を持っているだけである。

真実も統計も何も知らなくても商売はできる。ただ、客層を決めて、手当た
り次第に、「あなたは、こんなことに困っていますね」と決め付ければ良い。
当たればロイヤルカスタマーができる。その反復が精度を上げ、さらに依存度
の高い顧客を産む。どうも、顧客のニーズは調べるものではなく、言い当て、
決め付けるもののようだ。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。
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<MSIグループの近況>

中小零細企業の社長さん相手の商売のヒントがテンコ盛り
過去二期30名弱の参加で好評を博したネット上の通信教育
『「経営者のココロを捉えて」メシを食う』 (第三期)

毎週1回 全10回の通信教育を
『個人の意思決定サイト 起-動線(きどうせん)』を通して、
11月12日(金)からスタートします。ぎりぎりまで、お申込み受付中!!
料金は僅か21000円(税込)

講座の概要・目的
この講座は、対人コミュニケーションのスキルの強化により、中小零細企業
向けの各種サービスに付加価値を付けるための実践的な知識を身に付けていた
だくことを目的としています。コミュニケーションスキルそのものの講座では
なく、「メシの食い方」(稼ぎ方)に焦点を絞っています。

対象者
できれば、中小零細企業をクライアントとして、コミュニケーション力で独
立したいと考えている方。中小企業診断士、社労士、税理士、FPなどの資格
を活かして中小企業によりよいサービスを提供したいと考えている方
※特定の資格やスキルなどの条件はありません。

講座内容や、早速稼げている卒塾生インタビューなど、詳しくは…
http://www.ki-dousen.net/go.php?challenge=7

起-動線をご存知ない方は、こちらをご覧下さい。
http://www.ki-dousen.net/modules/freecontent/index.php?id=19
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発行:
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。
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毎月10日・25日発行
盆暮れ・年始、一切休まず 創刊からマル5年
マガジンID:0000019921
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※※ 弊社 新ホームページ とうとう移転完了 !! ※※
弊社のホームページが移転致しました。新しいURLは…
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元のURLからも自動的にジャンプするようになっておりますが、この機会
に御早めにブラウザの「お気に入り」や「ブックマーク」の変更をお願い申し
上げます。

また、現在のページはかなりバージョンの古いホームページ作成ソフトとテ
キストエディタを使っての手作りで、現在主流のブラウザで見ると、
○ ページが画面に収まりきっていない
○ 改行が崩れ、フレームに収まっていない、など
そこここに不具合が発生しております。
弊社のITインフラ大整備作戦の第二ステップは、年末にかけてこのような
不具合などを一掃することとしておりますので、今後の変化にご期待下さい。
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次号(通常号)予告: 第116号 価値分析粗論 (11月25日発行)
お客様のニーズについて考えた今号に続いて、次回は付加価値について考え
てみます。このコラムでも何度か取り上げているテーマです。「付加価値」ほ
ど、色々な意味解釈が成立している経営用語もないように思えます。その色々
な定義の変遷を辿ってみました。ご期待下さい。(完)