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経営コラム SOLID AS FAITH 第87号
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ご愛読ありがとうございます。第87話をお届け致します。
今月から、昨年に続き、大学での講義が始まります。私が“就労観教育”と
呼んでいる一連の講義です。普通の就職対策は、応募や面接のテクニックを教
えて、就職率を引き上げることを目的としています。一方、“就労観教育”は、
働くことの意義や働く場の種類を考えさせることにより、最終的には将来の離
職率を引き下げることを目的として、１年生に対して行なうものです。内容な
どにご関心がありましたら、ＰＲ欄を是非ご覧下さい。
先日もまた、あるコンサルタントの方から、「あなたの専門は何か」と尋ね
られました。勉強会などの形を通じて、経営の各種の切口を教える私の仕事を
訝ってのことでした。私の専門は、例えば営業教育や新入社員教育と言った分
野別ではなく、企業の経営者の考えを社員や顧客に教え伝える方法を企画する
ことです。その辺の説明をかなりしても納得いただけないことが良くあります。
今回の号はそのような先生がたの「教える」ことへの姿勢を描いてみました。
多少辛辣かもしれません。ご意見・ご感想お待ちしております。お返事は必ず
送信致します。（頂戴したご感想などへのお返事の納期は５営業日!!）
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その87：見識の可塑性
「皆さんが、雪山で遭難して何とか帰還してきたとします。そこへ、餡がタッ
プリ入った饅頭を１個差し出されたとします。食べますね、勿論。美味しいで
すね。そうすると、その人がまた、饅頭を１個くれたとします。１個目ほどで
はないにせよ、嬉しいでしょう。そんな感じで、饅頭を１個、また１個と貰っ
たとします。どこかの段階で、『もう結構』となって、それを越えると苦痛に
なってきます」。
私が経済学を習った先生の説明は続く。「この過程を表したのが限界効用低
減の法則です。効用は『ありがたみ』・『喜び』。限界は新たに付け加えられ
た１個を意味します。つまり、新たな１個がもたらす嬉しさは段々と減ってい
くと言うプロセスです。これをグラフにすると…」。
私は20歳からの二年間、一人あたり年間2000万のかかると言う某電話会社の
幹部養成研修を二年間受けた。その二年間はまさに勉強が仕事で、名門大学か
ら招聘された客員教授から幅広い科目の講義を朝から夕方まで受け続けた。分
厚い教科書でも３週間程度でマスターしなくてはならない。それでも何とか付
いて行くことができた理由の一つは、学ぶことの楽しさを教えてくれた先生が
たの存在であったろう。
私は研修の企画を受注している。その道のプロの講演を交えて研修企画を組
むと、その企画作業の難易度が各段に上がる。クレームの受け方を指導する先
生の講演を企画すると、話の構成にクレームが来る。「私の講演を喜んでくれ
る人々はいるのだから、時間配分や説明の比重を相手に合わせて変える打ち合
わせなど、時間の無駄なんだよ」と依頼を拒んだＶＭＤの先生もいる。売場の
見せ方のプロが、自身の見え方は意に介さない。「先生」達はかつての学びに
喜びを感じなかったのだろうか。
キャリアパス、簿記、英文法、発音記号、原価計算、付加価値、ＰＥＲＴチ
ャート、電話応対、ホームページ作成。困ったという声に答えて、「こんな値
段で良いのですか」と驚かれる廉価で勉強方法を企画して生計を立てている。
防大生の任官拒否さながらに、研修修了ののち数年で退職した私のことを
「4000万円持逃げ犯」と呼ぶ人々がいる。「知る喜び」を世の中に広く安く拡
散させること。世の「先生」方の多くが忘れてしまうことを、私が危なげにも
実践し続けられるのは、持逃げしても見ることさえできない4000万円の価値を
証したいためであろう。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。
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＜ＭＳＩグループの近況＞
◎９月１９日（金） 札幌学院大学法学部の１年生対象に
“就労観教育”の科目『職業を知るＡ』の講義を開始！
就職率を上げる小手先のテクニックではなく、
就職後の離職率を下げて欲しいとの依頼を受けて企画したものです。
内容は会社の仕組みから、新卒に求められるテクニック…
そして、スキルを、キャリアパスをどの様に考えれば良いのか。
さらに、雇用形態や賃金決定のメカニズム、生活設計などなど、
盛り沢山の内容を分かり易く面白く講義するものです。
詳しくはこちらを…
http://member.nifty.ne.jp/MSI-GRP/MSI-lec-index.html
＜講義予定＞
９月１９日（金） オリエンテーション
◎ ＦＭ岡崎のラジオ番組
『市川正人の知らなきゃアブナイ 仕事選びの常識・非常識』
番組内容収録の豪華ＣＤ６枚組 大好評発売中。
収録内容：
自己紹介・番組紹介が中心の第一話を除く全１２回分
購入方法及び価格：
こちらのページでご確認下さい。
http://member.nifty.ne.jp/MSI-GRP/MSI-radio-program.html
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発行：
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社ＭＳＩグループ（代表 市川正人）
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
msi-group1@mbb.nifty.ne.jp
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行！ 盆暮れ・年始、一切休まず、もうすぐ４年目!!
マガジンＩＤ：0000019921全バックナンバーはまぐまぐのサイトで
掲示されております。
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000019921
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いらっしゃる様子です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しており
ます。届かなかった際には、弊社ホームページで発行状況をご確認の上、再登
録をして下さい。http://member.nifty.ne.jp/MSI-GRP/SAF-index.html
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次号予告： 第88号 欠落した遺伝子（９月25日発行）
優れた面接担当者に尋ねると、「良い人材は良い人材によってのみ作られる」
と言います。観光などの美しく大らかなイメージの北海道の現実を考え、良い
人材の要素は如何に伝承されるかを考えてみました。ご期待下さい。（完）