069 頑迷の美徳

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経営コラム SOLID AS FAITH 第69号
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ご愛読ありがとうございます。年の瀬も押し迫ってまいりました。皆さま如
何お過ごしでしょうか。第69号をお届けします。

弊社では、お客様からの依頼に応じて、「できる」と判断した仕事には躊躇
無く取り組むのが常ですが、またも、初めての仕事をお引き受けしました。弊
社にしては珍しく大手ITベンダーの企業様からの依頼で、シナリオから教材
まで揃っている提案営業の研修プログラムの講師業をお引き受けしました。充
実の内容の事前勉強やらシナリオの消化に励んでおります。中身は非常に良く
できたものですので、どこかの機会でメルマガのネタの形などで紹介できるも
のと思います。ご期待下さい。

今回の号は、頑固な経営者にエールを送ってみることにしました。ご共感い
ただける所があれば幸いです。ご感想・ご意見もお待ちしております。(返事
の納期は5営業日!!)
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その69:頑迷の美徳

20年近く前、ソビエト連邦に観光で訪れた。当時のレニングラードを尋ね、
短い夏の日々を人々が楽しんでいたのが、仕掛噴水で有名なピョートル夏の宮
殿である。散策用の道の脇に道標を兼ねた胸像が配置され、記念写真を撮るこ
ととした。友人にカメラを預け、私は胸像の横に立ち、その胸像に腕を回して
みた。すると、50メーターほど離れた所に居た警備員が私達を発見し、ロシア
語で何事かを叫びながらこちらに疾走してくる。

恐れをなして、友人と二手に分かれて逃げてみたが、その警備員は間違いな
く私を逃がすまいと全精力をかけて追走して来る。追いつかれて、通訳が来る
までの15分。通訳が来てからのさらに15分、延々と説教を聞かされたが、中
身は単に「胸像は貴重な彫刻なので触るな」と言うことだった。叱責された側
ながら、感銘を受けた出来事だった。

近年名著を連発する中島義道氏の『<対話>のない社会』を読むと、「ルー
ル違反者を徹底的に追跡するドイツ人」と題された項目に、遊園地の規則を破
って池の白鳥に餌を与える少女をモーターボートで追跡してまで直接警告を与
えに来た係員の話が書かれている。そこで私も見習って、山手線発車間際で無
理矢理乗ろうとして鞄が挟まり、結局5分も電車を止め、私をアポへの遅刻に
追いやった中年女を、次の電車が来るまでホーム上で追い掛け回し罵倒した。

私がお世話になっている広告代理店で、営業出身の社長が、たるんでいると
言う営業担当者に関して愚痴をこぼす。「直行直帰も段々多くなってね、おま
けに日報も書かなくなってくるんですよ。今まで何度もこういうことがあって、
そのたびに言ってきたつもりなんですけどねぇ」などと本当に困っているかさ
え怪しい口調である。「日報を書いたらフィードバックが頻繁にあって助かる
と本人達に思わせる努力も必要でしょうが、『報告なき仕事はしてないも同じ。
だから最終的には給料もその分カットする』と宣言して、本当にやっちゃえば
良いじゃないですか」と答えると、社長は狐に抓まれたような顔をする。

社員と会社の都合は背反し、会社と顧客の都合も背反する。誰かの言い分と
その根拠を非常識に退けなくてはならないのが、経営の短期的な本質であろう。
常識から外れていることに頑なである人。それを全社に徹底できる人。私はそ
のような経営者を心から応援したい。
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「企業から人へのコミュニケーションを考える」
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次号予告: 第70号 疎外の果て(12月25日発行)
季節感も何も無く、今年最後の号では、顧客との接点から逃げ回る企業の姿
を描いてみようと思います。きっと、「そう言えば、そうだよな」と頷いて頂け
るものと思います。ご期待下さい。