068 不惑のマニュアル

=================================
経営コラム SOLID AS FAITH 第68号
=================================
ご愛読ありがとうございます。第68号をお届けします。

11月10日に発行した3周年記念特別号は、如何だったでしょうか。本来、11
月10日に発行する予定であった、第68話「不惑のマニュアル」を15日遅れで発
行致します。3周年も過ぎ、4周年に向けて、当コラムは休まず発行致します
ので、引き続きのご愛読のほどお願い申し上げます。

今号は経営者が抱く迷いに関して考えてみました。お楽しみ頂けましたら幸
いです。ご感想・ご意見もお待ちしております。(返事の納期は5営業日!!)
=================================
その68:不惑のマニュアル

3年振りに米国を訪れた。私が滞在したのはオレゴン州の田舎町。人々は毎
週日曜日には教会に集う。食事のたびに神に祈り、くしゃみをしても、「神の
ご加護を」と唱える。何か真面目な話をすると、引用されるのは決まって聖書
の一節である。

10年前までの約三年間、その土地の大学に通っていた。実家には神棚も仏壇
もあるのに、場合によっては教会で式を挙げても良いと思っていた。だから、
この地の人々のような、唯一神に24時間365日見つめられ、その教える所に背く
ことなく生きようとすることは、到底、私には無理そうだ。この地の紙幣の全
てに、「我らが信ずる神の名において」と記されているのを見るだけでゲンナ
リする私は、手っ取り早く「無神論者」と自己紹介していた。

時代を経て何かの価値観が減衰したのか、はたまた、人種構成の変化による
ことなのか、教会に通う人々は逓減していると言う。その代わり各種のカウン
セリングやセラピーに通う人が増えている。聖書の表紙を睨んでも答えは出な
いので、人に問うてみたくなる。互いに確認したくなる。こんな不安を想定し
なくては説明がつかないほどに、テレビには怪しげな導きや予言を示す人々が
登場する。クリニックや弁護士事務所、およそ人が相談に行くべき所が増殖す
る。

ある会社の経営のお手伝いをしている。打ち合わせをすると、「社員と面談し
たら、意見が全く噛み合わなかったんです。私の言っていることはおかしいで
すか」と若い社長は私に言う。すべきこと、してはならないことを決め、自分
と他人に常に遵守させることは難しい。

かつて、大手企業の技術部門に在籍していた頃、その職場の棚には「標準作
業実施法」と銘打った電話帳より厚いファイルがズラリと並べられていた。そ
して年々新しい巻が増えて行った。

社員が反発したらまずどうするか。資金繰りが厳しくなったらまず誰にあた
るか。そのような局面全てに対応して、異なる解釈の余地がない自社独自の
「標準『経営』実施法」の製作をしたら膨大な条項の数になることだろう。そ
れでも尚、もし迷いや不安の代償にそのマニュアル製作を発注する経営者が私
の眼前に現れても、その欲求の尋常ならぬ大きさと、持ち主の多さを知ってい
る私は、多分驚かないのではないかと思う。
=================================
☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。
=================================
<MSIグループのPR>
イベント・コンベンション運営の人海戦術的作業を徹底解消!
「来場者の受付から来場、ブース訪問履歴、退場まで全て管理。
後日のCRM活動もラクラクのシステム」

来場者にも、運営者にも、会場施設側にも、出展企業にもメリット満載のこの
システムについて、ビジネスモデル特許を申請しました。ご関心のある方はお
気軽にメールにてご一報を!
msi-group1@mbb.nifty.ne.jp

☆ビジネスモデル特許申請ウラ話:
先般、某中堅広告代理店を退職され、イベント企画を生業として独立された
中高年の方と知り合いました。その方の企画が大手に模倣されることへの対策
を考え、且つ事業企画のお手伝いをするところから、ビジネスモデル特許申請
と相成り、経験のために、共同請願という形にさせていただきました。
一応、弊社も業務系対人コミュニケーション企画請負業で、販促企画なども
範疇ですので、一つの資産として活用したいと思っております。

☆MSIグループの新サービス
今回の一件で、その分野に詳しい人々へのリサーチを執拗に展開したため、
○ ビジネスモデル特許の初期検討段階におけるご相談。
○ ビジネスモデル特許申請における手続や費用に関する情報提供。
などの業務も可能となりました。

平易な説明が大好評の弊社の新サービスに
ご関心がございましたら、メールにてご一報を。
msi-group1@mbb.nifty.ne.jp

※基本業務エリア:関東圏・札幌近郊
=================================
発行:
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
msi-group1@mbb.nifty.ne.jp

このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発
行しています。(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行! 盆暮れ・年始、一切休まず、早3年!!

マガジンID:0000019921全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されて
おります。
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000019921

講読の登録・解除はこちらのURLでお願いします。
http://member.nifty.ne.jp/MSI-GRP/SAF-index.html

MSIグループの業務案内はこちらです。
http://member.nifty.ne.jp/MSI-GRP/MSI-profile.html
=================================
次号予告: 第69号 頑迷の美徳(12月10日発行)
企業を訪問すると、「ウチの社長は頭が固くて…」との声を耳にします。総合
的に見ると固い方がよいのではないかと私は思っています。その話を、最近や
や嵌り気味な中島義道の古い著作をネタに仕立ててみました。ご期待下さい。