067 擒縛の形

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経営コラム SOLID AS FAITH 第67号
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ご愛読ありがとうございます。第67号をお届けします。

とうとう、発行を開始してから3年が経とうとしております。ここまで続け
られましたのも、読者の皆様のご支持の賜物と思っております。心より御礼申
し上げます。

3周年記念特別号は、来月15日までには発行の予定で、現在、鋭意原稿作成
に励んでおります。読者の方から「お題」を頂いた「不況と起業」をテーマに
した文章と、(今回はあまり手間をかけず、アンケートも行っていませんが、)
恒例にしておりますランキング発表を何らかの形で行いたいと思っております。

今号は給与額と社員の動機付けについて考えて見ました。お楽しみ頂けまし
たら幸いです。ご感想・ご意見もお待ちしております。(返事の納期は5営業
日!!)
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その67:擒縛の形

札幌で開催されるヨサコイソーラン祭りに、2年連続で参加した。なぜかこ
の祭りでは、踊り手のことを老若男女の別なく「踊り子さん」と呼ぶ。400チ
ーム前後で、平均参加人数1チーム100人前後。私も4万人ほどいる「踊り子
さん」の一人である。

チームで他のメンバーに聞くと、チームが消滅したり、主旨が合わなかった
りと、毎年異なるチームを流れ歩いている「踊り子さん」が沢山いる。楽しく
踊れるなら、それで良い人。そこへ、どうせ踊るなら賞を狙わねばならないと
考える人が現れて、離反が始まる。

子供は踊りがちゃらんぽらんで、練習にも長く参加できない。30を過ぎると
体が硬くなり、フリの覚えも悪くなる。だから、年齢制限を設けて、さらにオ
ーディションを重ねる。練習の出欠を取り、数度休むと、数万円の衣装の自腹
を切っていても容赦なく除名する。「楽しさ」をかなぐり捨てて、思惑をあか
らさまにすれば、カネによる拘束なき組織はすぐさま揺らぎ出す。かくして、
ヨサコイチームは離合集散を繰り返す。

映像に残る20世紀の歴史の特集をテレビで見た。銃弾によって、戦車によっ
て、一旦塞がれた人々の口と奪われた自由は、やがては血と年月を代償に必ず
回復されることが見て取れる。禁酒時代のアメリカ、冷戦時代の東欧。どの映
像も人を組織の思惑に縛ることが、如何に困難かを証明する。

「提示する年俸が低くて、人が集まらないのですね」。人材紹介を依頼する企
業のヒアリングで、コンサルタントと名乗る人物が口にする言葉である。銃を
突きつけ脅そうとも、不当に監禁しようとも、マクロで見る限り、人間と言う
生き物は妥協しない。果たして、少しばかりのカネの違いが組織への縛り加減
の違いとなるだろうか。

大体にして、ボランティア団体やヨサコイチームは構成員に与えるものがな
い。与えるものがないのに、何ゆえ人を募れるのか。年俸が低くなった企業が
人を得にくくなるのは、その年俸の大部分が、何か大きな過ちに対する口止め
料や慰謝料だったからではないかと思えることがある。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。
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発行:
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告: 第68号 不惑のマニュアル(11月10日発行)
経営者の持つ迷いのついて考えました。ご期待下さい。
注)上述の号の前に、3周年記念号をお届けできるように努力しております。