066 穢きものの写像

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経営コラム SOLID AS FAITH 第66号
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ご愛読ありがとうございます。第66号をお届けします。

今号は見掛けでは分からない中小企業の魅力について考えて見ます。3Kを
絵に描いたような中小企業でも、大手にはない素晴らしい魅力のある会社が多
多あります。しかし、採用面接や新しい取引先との商談で、その魅力が十分に
発揮される事は残念ながら少ないようです。

最近、ベンチャー企業専門を対象としたある人材紹介会社にお邪魔して、20
年間赤字のない中小企業の案件を提示しましたが、「ウチではこのような中小
企業に行く人はいないです。給料も安いですし…」とのことでがっかりしまし
た。中小企業の魅力の感じ方を広く広めるのも私の仕事ではないかと思えるよ
うになりました。

さて、前号で案内致しました「3周年記念特別号」の企画はまだ募集してお
りますので、もし、ご希望のネタ・企画がございましたら、是非メールにてご
一報下さい。詳細は巻末近くの案内をご覧下さい。また、今号へのご感想・ご
意見もお待ちしております。
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その66:穢きものの写像

雑誌を捲っていて、「好き嫌いを直す」と言う触込みの広告を見つけた。催
眠術を使った心理療法を施すところらしい。赤面から食べ物の好き嫌いまで、
多分、負の経験に基づいて構成された行動を「直せる」と言う所に、色々な可
能性の面白さと不安を感じる。

激しい競争の結果、最近は姿を消したが、タイル張りの狭い部屋に、肘を重
ねて小さな丸椅子に客を座らせるような回転寿司屋が私は大嫌いだった。あの
濡れタイルを見ると、いつか物陰から、ごきぶりの2?3匹も出てきそうな気
がして落ち着かない。何かが足を這い上がって来そうな気がし始めると、居て
も立ってもいられない。

4ヶ月滞在した香港では、私も現地人同様、屋台の強く押すと黒い汁が染み
出て来そうな木のベンチに腰掛けて、熱い麺やら臓物のスープなどを、両隣合
わせてふうふう言いながら啜っていた。その後、病み付きになって香港に数度
行き、鶏の首を刎ねる小さな料理屋などで、十年は使っていそうなどす黒い箸
で、肉を突ついても、全然平気である。

かぐや姫を迎えに来た月よりの使者は、かぐや姫や翁達を見下ろし、「穢き
ところにいかでか住まわん」と言う。かぐや姫は竹から産まれた時に、月での
記憶を残していたのだろうか。そして、かぐや姫は翁のとの生活を「穢きもの」
と感じていたのだろうか。

ある食品メーカーで、営業部長として活躍する元銀行支店長を知っている。
その会社はは、人口十数万の地方都市にある絵に描いたような中小企業である。
工場に隣接した事務所は小さく、営業部隊を拡大した時に、駐車場脇にプレハ
ブの事務所を建てた。十年経った今も、営業マンはプレハブの雑然とした事務
所で働いている。

工場の機械を分解したら産まれ出た訳でもない元銀行支店長は、「穢きとこ
ろ」に如何に定着したのか。何が彼をしてはつらつと働かせるのか。彼の心理
療法は何であったのか。人材紹介事業で、大手企業出身の覇気なき50代前半の
人材を見るとき、そして、企業規模や年収が当面の関心事であることを聞かさ
れる時、あの営業部長に纏わる疑問の答を無性に知りたくなることがある。
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一昨年に発行した創刊1周年記念号、昨年発行した2周年記念号と、タイミ
ングもルーズになり、内容も読者様の寄稿に依存するようになりと、力を抜く
傾向をそのままに、3周年記念号もやっつけで一気に作り上げたいと思います。
そこで、読者のみなさまから「こんなことを載っけて欲しい」と言う企画やネ
タそのものを大募集致します。

既に、1案、読者の方からのアイディアを採用致しましたが、もう一つ・二
つは行けます。是非、アイディアをお聞かせ下さい。
メールにてご一報下さい。 msi-group1@mbb.nifty.ne.jp

※ 通常号や増刊号と異なり、“お祭り号”ですので、くだらないネタでも全
く問題ナシです。ご協力下さい。

締切りは10月11日(金)です。どしどし、ご応募下さい。
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発行:
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告: 第67号 擒縛の形(10月25日発行)
今年も参加した札幌のヨサコイソーラン祭りの体験を通して、組織に対する
人の動機付けについて考えて見ます。