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経営コラム SOLID AS FAITH 第63号
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ご愛読ありがとうございます。第63号をお届けします。
多少、秋の兆しが見えて参りましたが、みなさま如何お過ごしでしょうか。
前号に続き、超デフレ対応型価格体系の弊社サービスの一部を巻末でご案内致
します。
経営課題を解決するための、当事者の手による当事者のための「勉強会」の
運営が、弊社の「研修企画」サービスです。講師要らずで、弊社の用意した台
本による勉強会の運営で、課題の全貌と社内に埋没する解決策の糸口を顕在化
させます。ご関心を賜れましたら、是非、前号で紹介の勉強会企画と合わせて
ご検討下さい。
今回の号は、日常の生活の中で、どうもツメが甘いように見える顧客誘導の
手法をまとめてみました。お楽しみ下さい。
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その63：身近な漁業
近所のスーパーに、毎週日曜日のほぼ決まった時間に買い物に出かける。そ
の中の数少ないテナントの一つであるクリーニング店のカウンターには、いつ
も暇そうな若い二人の女性が座っていて、表紙に「水揚げ帖」と書かれたノー
トを眺めている。その目には、魚は水揚げされに勝手に来るものと映っている
らしい。
札幌市で毎年６月に開かれるヨサコイソーラン祭りのチーム反省会で、参加
者の募集に苦戦したことを反省する。「例のスーパーに２月からチラシを貼り
出そう」などと議論する。発言を促された。「ヨサコイの記憶が一番薄れた時
期に、チラシ撒いたってコストの無駄ですよ。他でもないこのチームに一番皆
が参加したくなるのは、踊っているのを見たときじゃないですか。その瞬間に
資料請求付きのチラシをばら撒いた方が良くありませんか」
スーパー脇の路上で、ＡＶ家電の回収車を見かけた。古新聞回収もよく見る。
私はこの類の移動しつつ営業している人々にお世話になれたことがない。アナ
ウンスを聞いて、ブツを用意し飛び出しても、取引の機会は遥か彼方に去って
いる。
12日間で80万円のセミナーの企画運営をしたことがある。チラシをばら撒く。
低い確率だが資料請求が来る。「見込み客」ともまだ呼べないような「関心者」
に、資料を送る。無料説明会を開く旨を案内する。するとまた一定の確率で、
参加者が現れる。あいまみえて、名刺交換をしてからは、白兵戦である。
漁業については暗い私だが、このプロセスが魚を捕まえる過程のようだと感
じることが多かった。大洋ではどこを探せば良いか分からない。餌を撒いて、
入り江に誘い込む。数と位置は探知できても、銛もとどかず、網も到達するま
でに逃げられそうだ。そこで、水上からでも視認できるような浅瀬にさらに追
い詰めて、一尾々々を狙って金魚掬いの如く一瞬で捕らえる。
ＣＲＭ、オプトインメール、顧客とのコミュニケーションの手法が紹介され
る。数理統計のポアソン分布は、魚を数えるために考案されたと聞いた。眺め
ていても、数えられない。数えられても、捕まえる術がない。追込んでも、勝
手に網には入らない。テレビで見る、魚を手掴みにする村興しのイベントでは、
子供達が目を輝かせている。確率も手法も尽くした後に、体験した者だけが知
る手掴みの「お楽しみ」の瞬間が訪れる。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。
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発行：
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社ＭＳＩグループ（代表 市川正人）
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次号予告： 第64号 犬の記憶 ＝価値の媒体（１）＝（９月10日発行）
「価値の媒体」シリーズと銘打って、２回に渡って人の記憶に残ることの効用
について考えてみます。第1弾は飼い犬に関する私の見解から、人に残る自分
の記憶を微かにコントロールする方法を考えてみました。ご期待下さい。